本日(8月2日)の産経新聞の主張(社説)です。個人的には鎌倉方式の成果を期待したい。
海水浴と飲酒 「夏の文化」も節度必要だ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140802/dst14080203190003-n1.htm
猛暑の中で全国の海水浴場にたくさんの人が訪れている。夏休みの解放感もあり、海辺の笑顔は大人も子供も輝く。
だが、事件や事故に巻き込まれてしまうと、楽しい休暇も暗転する。とくに飲酒の絡む事故には気を付けたい。
北海道小樽市では7月13日、海辺から帰る市道で女性4人が酒気帯び運転の車にひき逃げされ、3人が死亡、1人が重傷を負う事故が起きた。
警察に逮捕された男は、知人が経営する海の家を手伝い、12時間も酒を飲んだ後、車を運転してたばこを買いに行く途中だった。
「事故さえ起こさなければ大丈夫と思った」という。あまりにも安易な行動に愕然(がくぜん)とする。
男が手伝っていた海水浴場では事故後、「飲酒運転禁止」ののぼり90本を設置し、海の家でも酒類提供の際に「車で来ていませんか」と念を押している。
もちろん、これで飲酒運転がなくなるという決め手にはならないだろう。それでも、警察の取り締まりの強化とあわせ、海水浴場全体で酒を飲んだら車は運転しないというメッセージをことあるごとに伝えていく必要がある。
神奈川県の相模湾に面した湘南の海水浴場では昨年、風紀の悪化が社会問題化した。盛り場の夜をそっくり移したようなクラブイベントが原因のひとつに挙げられ、今年は軒並みクラブイベント禁止となっている。
同時に、鎌倉で海の家の組合が調査をしたところ、昨年は砂浜にテントやシートを広げて酒盛りをするグループが増え、風紀悪化の最大要因になっていた。しかもゴミはシートごと放ったまま帰ってしまう。やりきれない光景だ。
逗子市の海水浴場ではこの夏、音楽と海の家以外での飲酒を条例で禁止する措置をとった。鎌倉市はマナー向上のための条例と海の家の組合の自主規制の強化で、安全を確保しようとしている。
規制だらけでは夏の海という祝祭空間の魅力も失われかねない。音楽をすべて悪者にするような発想はやや行き過ぎだろう。地元の人たちも、厳しいことばかり言いたいと思ってはいまい。
周囲に迷惑をかけてまで楽しむ権利は誰にもない。子供もお年寄りも訪れる砂浜で、傍若無人の振る舞いが許されるわけもない。海水浴という真夏の文化にも、その程度の自覚は必要だ。