IASのオズボーン事務局長が辞任を発表 エイズと社会ウェブ版498

 国際エイズ学会(IAS)のケビン・オズボーン事務局長が7月29日、公式サイトのブログで自らの辞任を明らかにしました。ギリシャに住むパートナーと一緒に暮らすため、必然的にIASの仕事には終止符を打つということのようです。

www.iasociety.org

 

 これを受け、IASは直ちにアディーバ・カマルザマン理事長が「悲しみと感謝の気持ちを込め」事務局長辞任のお知らせを公式サイトに掲載しました。9月末で辞めるということのようで、10月1日からはビルギット・ポニアトウスキー事務局次長が事務局長代理を務めます。IASは直ちに後任を選ぶ作業を開始すると発表していますが、選任プロセスにはそれなりの時間がかかるので、10月1日には間に合わないということでしょうね。www.iasociety.org

 

 オズボーン氏は2018年7月、事務局長に就任、HIV陽性であることを公表している初のIAS事務局長として注目されました。

 辞任の背景に何があったのか、それは分かりません。理事長は2年交代が通例になっており、アディーバ・カマルザマン理事長もつい先日、就任したばかりです。それに倣ったのかもしれませんが、後任はいまから選ぶということなので唐突の印象は残ります。

オズボーン氏のブログには次のような一節がありました。日本語仮訳の正確性に自信がないので、英文と合わせて引用しましょう。

 The COVID-19 pandemic has also forced us to reflect deeply about the nature of the world in which we both live and work – as a society, as a community and as individuals. Re-imagining and building a more just, equitable and inclusive society has been the hallmark of the HIV response. Ensuring that the hard-won gains made in the HIV response are not eroded remains a priority for our community, and balancing personal and professional life priorities and circumstances has taken on a new meaning for many of us.

 (COVID-19のパンデミックは、私たちがいま暮らし、働いている世界のあり方について、社会にも、コミュニティにも、個人にも、深く反省を促しています。HIV対策はより公正で公平で包摂的な社会を思い描き、構築することを目指してきました。苦労して獲得したその成果を損なわないようにすることは、私たちのコミュニティにとって依然、優先事項であり、私生活と仕事のバランスをどうとるのかということも新たな意味を持つようになっています)

 COVID-19の流行に何か思うところがあったのかもしれませんね。