専門家の皆さん、夜の街は同志ですよ エイズと社会ウェッブ版479

 Face bookでも書いたけれど、だんだん夜の街クラスターに焦点があたってきそうなので、ブログにも載せておこう。まず、こちらは本日(6月2日)のNHKのニュース。 

www3.nhk.or.jp

 『都内で新型コロナウイルスに感染した人のなかで、いわゆる夜の繁華街での接待を伴う飲食業に関わる人が増えているということです』

 それで、どのような対策の展開になるかというと、ここがどうも危なっかしいように私には思える。

 『都によりますと、店に不特定多数の人が出入りしているため、感染した経路を調べたり、接触した人を特定したりすることが難しいということです』

 これが行政とマスメディアのマッチアップの最近の趨勢と言いますか。困った輩を早く見つけ出して手を打たなければ、みたいな印象が言葉の端々からにじみ出てきます。百歩譲ってコンタクトトレーシングの価値を認めるにしても、見つけ出して、どう手を打つかというところに問題が残ります。そんな人に見つかりたくないよ・・・と夜の街からはすっかり遠ざかっている高齢かつ重症化ハイリスク層の私のような者だって思う。夜の街を敵に回してどうする。そうではなくて・・・ですね。 
 当事者も加わって対策を策定し、実施も協力して進めていく。感染の高いリスクにさらされている人の感染に対する脆弱性を直視し、その脆弱性を解消していくにはどうしたらいいのかを対策の中心に据える。そうしなければ有効な対策にはならない。
 これがHIV/エイズ対策で学んだ最大の教訓でしょう。
 感染経路や発症に至る期間も大きく異なりますが、この点については新型コロナウイルス感染症の対策もHIV/エイズ対策と大きく異なるものではないように思います。
 一般的な恐怖と不安に訴える時期が一定期間を経て、あまり有効ではなくなり、次に来るものは何か。夜の街クラスターに当事者参加の対策の枠組みを作ることができるのか。アラート好きの某首長の言葉を借りれば、今こそが重大局面であり、正念場です。誰が対策を支えてきたのか。これからの対策を担っていけるのか。皆さんの協力のおかげですみたいな社交辞令はいらないから、よ~く考えてみよう。
 専門家の皆さん、ここが踏ん張りどころですよ。メディアも少しは学ぼうよ。