メディアを通じて、お医者さんや政治家の皆さんが言っていることばかり情報として入ってくると、自分の感じ方が間違えているのではないかと思ってしまうことがしばしばあります。
おおむね言えば、提供者側の論理に乗っかってしまうといいますか・・・。政治家はともかく、医師(というか医学の研究者の皆さん)は腹に一物があるわけでもないと思いますが、不幸なマッチアップが成立してしまうことはありえます。
・・・で、自説の正当化を試みるつもりは毛頭ありませんが、少し視野を広げてみましょう。公益財団法人日本心理学会のサイトに3月18日付で『もしも「距離を保つ」ことを求められたなら:あなた自身の安全のために』という記事が掲載されています。
《アメリカ心理学会(American Psychological Association: APA)公式Webサイトに掲載された記事 "Keeping Your Distance to Stay Safe" を,アメリカ心理学会の許諾を得て,日本心理学会広報委員会が日本語に翻訳》したものだそうです。
アメリカはけっこう無茶をするなあと思うことがある一方で、変にこのあたりのケアがしっかりしている面も同時にあります。
《新型コロナウイルス感染者が日々増加する現在,あなた自身が「他者と距離を取る」必要が出てくる場合があります。その時に,必要な社会的支援を受けつつ,より良い形で「距離を取る」ために役立つ考え方を,心理学から提案します》
いま、売り出し中の『social distancing』には『社会的距離の確保』という訳語があてられ、《他者と接触する際に安全な距離(約1.8メートル)をとり,学校,教会,コンサートホール,公共交通機関など人が集まる場所を避けることです》という説明がつけられています。
『検疫』と『隔離』についても、それぞれ短い説明があります。なるほど、そういうことでしたか。
さらに《きちんと統制された介入研究は多くありませんが,こうした困難な状況に対処するための心理学的な最善の方法はわかっています》ということで、隔離状況下では次のようなことが起こるそうです。
・恐怖と不安
・抑うつと倦怠
・怒り、フラストレーションやイライラ
・スティグマ化
・社会的弱者
それぞれに短い補足の説明があるので、そちらはサイトをご覧いただいた方がよさそうですね。
それでは、この事態にどう対処したらいいのか。サイトでは《社会的な距離の確保,検疫,隔離が実施される前に,前もって計画を立てること》をお勧めしています。こちらも項目だけ列挙しておくので、ご関心があればサイトを見てください。
・信頼できる情報を獲得しよう
・日々のルーティンを作り,それを守ろう
・他者とのヴァーチャルなつながりを保とう
・健康的なライフスタイルを維持しよう
・ストレスを管理し,前向きでいるために心理的方略を使おう
個人的には、もうすでに、けっこうやっているなあというものもありますが、こうして列挙していただくと不思議なことに心が落ち着きます。
《社会的距離の確保や検疫・隔離が,他の人々のためになることを考えると,心理的苦痛も和らぐでしょう。このような措置を取ることで,あなたは新型コロナウイルスを感染させる可能性を減らし,よりリスクの高い人々を保護していることを忘れないでください》
だんだん和らいでくる感じもしてきた・・・というか、高齢者といたしましては、保護していただき、改めて皆さんに感謝したい気分です。