選手会などと協定書締結 プライドハウス東京2019がW杯前日にプレスイベント エイズと社会ウェブ版419

 ラグビーのワールドカップ日本大会の開幕に合わせ、プライドハウス東京2019が9月20日、東京・渋谷区神宮前のコミュニティスペース subaCO(スバコ)にオープンします。性的マイノリティの人たちが安心して集える場所であり、性的指向性自認、性表現の多様性に関する情報拠点でもある期間限定の施設です。

 2010年のバンクーバー冬季五輪以来、国際的な巨大スポーツイベントに合わせて開催都市に開設されているそうですが、ラグビーW杯では初めて、日本で開設されるのも初めてということです。

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 場所は表参道と明治通りが交差する神宮前交差点の角。入口にバナーもあるので、すぐに分かります。すでに準備万端整い、オープン前日の19日には、ウォーミングアップといいますか、プレス向けにお披露目のイベントが開かれました。

 入り口で「ご所属は?」と尋ねられ、「所属って・・・、とくにないんだけど」としどろもどろでしたが、コミュニティアクションの名刺をお渡しし、快く入れていただきました。インクルーシブな受付の方、ありがとうございます。

 イベントでは「プライドハウス東京」コンソーシアムの松中権代表が主催者あいさつで、プライドハウスの意義と歴史を語りました。以前、当ブログで掲載した『安心して集える場所』と同趣旨のお話しなので、手を抜いて恐縮ですが、行数節約のためにこちらを参考にしてください。

http://miyatak.hatenablog.com/entry/2019/08/18/103510

 この後、一般財団法人東京マラソン財団とプライドハウス東京、および日本ラグビーフットボール選手会とプライドハウス東京の間で、締結された協定書の発表がありました。

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 写真は日本ラグビーフットボール選手会の川村慎副会長(NECグリーンロケッツ)と「プライドハウス東京」コンソーシアムの松中権代表です。協定書の文面もメモしてきたので紹介しておきましょう。

 『一般財団法人日本ラグビーフットボール選手会とプライドハウス東京は、日本のラグビー業界において、多様なセクシュアリティの選手・指導者・スポーツ大会運営者・関係者・ファンなどの参加者が、性的指向性自認・性表現に関して差別や偏見を受けることなく、自分らしくラグビーを楽しみ、ラグビーが持つ魅力を享受できるように、正しい知識や理解を広げるための普及啓発をするため、相互に連携・協力する体制を構築することを目的とする協定を締結する』

 日付は2019年9月19日で、選手会畠山健介会長とプライドハウス東京の松中権代表が署名しています。

 二つの協定書発表の間には、その後のプログラムの登壇者も含め、記念撮影がありました。笑顔のサービスありがとうございます。

 

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 後半のプログラムは2つのトークセッションと活動紹介です。トークセッション1「ラグビー界でできること」では、杉山文野・東京レインボープライド共同代表が司会役を務め、選手会から川村慎副会長、稲橋良太選手(クボタスピアーズ)が登壇。選手会の研修(勉強会)などプライドハウス東京との交流を通して、セクシュアリティの多様性に関する自らの考え方や態度が変わっていった経験などを語りました。トップリーグを代表する選手から「ラグビーW杯の代表は国籍も多様だし、体の大きい選手も小さい選手もいる。ラグビーの中にはもともと多様性が含まれているので、その発信力に期待したい」「勉強会を受けるまでは意識して考えることもなく、無意識に人を傷つける言葉を使っていたフシもある。無知であるということはよくないと思う」といった発言が聞けるということは、私のようなオールド・ラグビーファンにとっては感動的ですらあります。感動のあまり、思わずメモを取り忘れる場面もあり、せっかくの発言を正確に報告できず、すいません。

 もう一つのトークセッションでは公益財団法人日本スポーツ協会スポーツ医・科学委員会「スポーツ指導に必要なLGBTの人々への配慮に関する調査研究班」の藤山新さん(首都大学東京ダイバーシティ推進室特任研究員)と特例認定NPO法人虹色ダイバーシティの村木真紀代表が「日本スポーツ協会監修冊子について」をテーマに対談しました。

 10ページのコンパクトな冊子で、『誰も排除しないスポーツ環境づくりのために 私たちにできる10のこと』が分かりやすく説明されています。プライドハウス東京の公式サイトでPDF版を公開する予定だということなので、その時に改めて紹介しましょう。

 プライドハウス東京2019は11月4日(月祝)まで開設。営業時間は13:00~18:00で、火曜日はお休みです。詳細は公式サイトをご覧ください。

 http://pridehouse.jp/

 来年の東京オリンピックパラリンピック開催時には、プライドハウス東京2020を開設し、さらに2020年のレガシーとして、次世代のLGBTの若者が安心して集える、常設の居場所づくりを目指しているということです。