伝説のエルトン・ジョン演説を見よ。映画『ロケットマン』公開開始を前に エイズと社会ウェブ版409

 いよいよ明日23日、公開開始ですか。エルトン・ジョン卿の伝記映画『ロケットマン』。配給会社の方とはなんの関係もございませんが、HIV/エイズ分野の関係者としてもこの際、見逃せない映画でしょうね。公式サイトはこちらです。
 

rocketman.jp

 蛇足ながら彼は英国の爵位を受けているので、権威に弱い私などは呼び捨てにせず、卿をつけるようにしています。以前はエルトン・ジョンさんとか、エルトンとか、なれなれしく呼んでいたけれど・・・(もちろん一面識もありません。わざわざ書くこともないか)
 ま、とにかく。さっそく映画館に駆け付けたいところですが、寄る年波で映画を見るのにも体力を使います。長く座っていると、けっこうお尻が痛いのよ。希望としては、あまりヒットせず、すいた映画館でゆったりとみたい。でも、しばらくはそういうわけにもいかないでしょうね。
 夏休みが終わるのを待って、秋になってから平日の昼間に行けば、そんなにこまないかなあ・・・。考えてみれば、この前、映画館に行ったのは去年の秋の終わりか冬の初めごろでしたか、横浜で『ボヘミアン・ラプソディ』を観ました。
 あのときもそうだったのですが、今回もHIV/エイズについては、あまり映画の宣伝で取り上げることはないでしょうね。この際、エルトン・ジョン卿に関する当ブログの以前の記事を紹介しておきましょう。 

miyatak.hatenablog.com

 2012年に米ワシントンD.C.で開催された第19回国際エイズ会議で行ったエルトン・ジョン卿の演説を日本語に仮訳したものです。ブログの引っ越しなどで埋没してしまった原稿をサルベージし、2016年7月16日に改めて掲載しました。
 その時も書いたけれど、いまはエルトン・ジョン財団のサイトに英文の演説原稿が掲載されています。
 http://newyork.ejaf.org/text-of-sir-elton-johns-address-at-aids-2012/

 演説の中で、エルトン・ジョン卿は自らの薬物使用などの体験を語り、エイズの流行に終わりをもたらすには「医学とお金だけでなく、それ以上のものが必要です。愛が必要です」と強調しています。
 さらに、愛という言葉がいやなら「思いやりでも、親切でも、理解でも、共感でも、好きなように呼んでください。考えていることは同じです。エイズの流行を終わらせたいのなら、もっと人間性や愛が必要です」と繰り返しています。
 2012年のワシントン会議は米国で22年ぶりに開かれた国際エイズ会議でした。政治的に重要性を強調したいという当時のオバマ米政権の思惑もあったのだと思いますが、治療の進歩による「エイズの流行の終わりの始まり」などということが盛んに強調されていました。
 その中で、エルトンは(おっと、呼び捨てにしちゃった)、世界中から集まった医学者を前に、あえて「エイズという病気の原因はウイルスだけど、エイズの流行はそうではない」「流行は偏見や憎しみ、誤解、無知と無関心によって拡大する」と言ったのです。日本にいてネットで会議の情報を収集していたおじさんも、これには感動したね。感動のあまり、うまくもない日本語の仮訳まで作ってしまいました。
 映画はまだ観ていないけれど、この演説を読んでから観ると、理解が深まり、得るところもまた多いのではないかと思うよ。最後は便乗キャンペーンのようになっちゃったけれど、悪しからず。