日本 34 - 21 フィジー ラグビーW杯へ、ジャパン始動

 

ラグビー日本代表27日、岩手県釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで、世界ランク9位のフィジー代表と対戦しました。日本は世界ランク11位です。

日本 34 21 フィジー

やりましたね。東日本大震災からの復興の象徴でもあるスタジアムにはたくさんの人、インゴールの後ろの席にもびっしりと人が座っていました。期待度の大きさがうかがえます。私はNHKのテレビ中継による観戦でしたが、お茶の間の一ファンとしても、この盛り上がりは大切にしたい。

ジャパンはこの期待に応えるように(実際に応えようとしていたと思う)立ち上がりから積極的に攻め、前半を2914と大きくリード、後半はさすがにフィジーも猛攻を仕掛けてきましたが、失点は1トライ(ゴール)の7点に抑え、何とかしのぎ切りました。

なにせ相手は奔放に走りまくり、オフロードパスでつながらないはずのボールもなぜかつなぎまくって自陣からでも一気にトライをとってしまう危険なチームです。

どうしても試合の興味は派手な得点シーンに向かってしまいがちですが、アンストラクチャーの状態をとにもかくにも切り抜けてきたディフェンスの力も大いに評価したい。

ところにより、あらあ、あっさり抜かれちゃうね~という、いつか見た風景というか、デジャブ―感覚のようなシーンもありましたが、しっかりと試合を落ち着かせつつ、自分たちの強みを発揮していきました。

今年はラグビーW杯日本大会が920日に開幕します。もう2か月もありません。それなのに、日本代表は練習による強化にひたすら焦点を当て、強いチーム相手に試合をすることはありませんでした。

したがって、日本代表がどこまで力をつけてきたのか、あるいはつけていないのか・・・ファンにとってはよく分かりません。期待はしていたものの、本当の力は実際に試合でしのぎを削る場面をみなければ分からない部分もあるし、どうなのかなあ・・・。

フィジー戦の勝利はひとまず、その不安を取り除いてくれるものではありました。ワールドカップのような大舞台では、いい試合はやるんだけど、結局、負けちゃう。応援席からは、善戦はもういいよというつぶやきが聞こえてくるのが、旧来のパターンでした。それを払拭したのが前回W杯の南ア戦勝利であり、今回は何となくそのときよりも力をつけているかもしれない。そんな期待ももてそうです。

これまでは若手とみられることが多かった福岡、姫野、松島といった選手たちがチームの中心を担う存在になってきた印象もあり、心強いねとも思いました。

それでも、W杯で目標のベスト8進出を果たすには、どうなんだろうかという疑問もあります。点差は開いていたけれど、後半はフィジーが戦い方を変えてきたこともあり、かなり苦しかったようにも見えます。

実戦を通して得られる試合勘のようなものも含め、もう一ランク、二ランク、実力のアップをはかる必要があるでしょう。

日本代表にとって、フィジー戦はパシフィックネーションズ杯(PNC)の初戦でもありました。これからW杯開幕まで予定されている試合は同じくPNCのトンガ代表、米国代表戦の2試合、そして96日の南アフリカ代表戦の計3試合です。この3つの試合でめきめきと頭角をあらわし、その勢いを駆ってW杯に臨む選手が、1人でも2人でも、できれば15人くらい出てくると、世の中、どうなっちゃうか分かりませんね。なにせ4年前の前回W杯では、南アに勝っちゃったという経験もありますから。