五月雨に時代の波も聞き分けん

 先ほども少し紹介しましたが、高浜虚子1910年(明治43年)から亡くなる1959年まで由比ガ浜に居を構えていたそうです。

 雨がやんだかと思ったら、またパラつきだし、早々と梅雨が来たような一日でしたが、それでもまあ、近所でもあるし・・・ということで、傘を差しながら訪ねてみました。暇をもてあましているわけではなく、仕事疲れを癒す束の間の小散歩であります(いちいち断らなくていいから)。

 

f:id:miyatak:20190514174050j:plain

 折しも・・・というか待っていたんだけど、電車が踏切を通過します。単線の線路を走る江ノ電は上り線、下り線とも12分間隔で走行しています。つまり6分ぐらい待っていれば上下どちらかの電車が来る計算です。通過した電車は下り鎌倉行きでした。

 藤沢-鎌倉間を走る江ノ電の起点は藤沢駅なので、藤沢行が上りになります。藤沢と江の島の間で開通し、だんだんと鎌倉まで延びていったようですね。

 

f:id:miyatak:20190514174345j:plain

 虚子旧宅跡の石碑です。ここにも『波音の由比ガ浜より初電車』という句が刻まれていました。昭和から平成を超えて、もう令和になっちゃったけど、この一句、なんかいい感じですね・・・と、いまにして思う。初電車はもうずっと前に出ちゃったけれど、踏切に静寂が戻ると、雨音にまじり、寄せては返す時代の波音も聞こえてきそうです。