小さいけれど、ちょっと気になる変化 東京都エイズ通信第139号

 メルマガ東京都エイズ通信の第139号(20193月)が発行されました。毎月掲載されている最新の新規HIV感染者報告数とエイズ患者報告数を見ると、ちょっと異変が・・・。

先月まで減少傾向が続いていた新規HIV感染者報告が、今回は昨年同時期と比較して増加に転じています。

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● 平成3111日から平成31327日までの感染者報告数(東京都)

  ※( )は昨年同時期の報告数

HIV感染者       90件  (72件)

AIDS患者        13件  (14件)

合計           103件  86件)

 

AIDS患者数は昨年同時期を下回ったが、HIV感染者数は昨年同時期を上回るペースで

報告されている。

          

今年第一四半期(13月)の報告数も前年同期比で増加に転じています。多少の上下変動があるのかもしれません。また、今年は年度末にまとめて報告が入るところがあったのかもしれませんね。

短期の増減に一喜一憂していてもしょうがないので、もう少し推移を見ていく必要がありそうですが、一つだけ、言えることがあります。2020年の東京オリンピックパラリンピックの開催を控え、この時期に「エイズはもういいだろう」などと安心していられる状況ではないということです。ましてや、これまで積み重ねてきた努力を放棄したり、手を緩めたりできる余裕はありません。

その意味では、あくまで報告ベースの数字であり、しかも、中期的な動向の中では短期的な小変動なのかもしれないとはいえ、アラームの役割は十分に果たしている(と読み取るべき)変化なのではないでしょうか。

AIDS IS NOT OVERエイズは終わっていません)であります。 

仮に増加傾向に転じているということだとすれば、どのような人口集団、年齢層で増加が顕著なのか、検査推奨の成果なのか、それとも報告だけでなく実際の感染も増えているのか、といったことを把握するための分析が必要になります。