『エイズは(いまなお)政治的課題である』 IAS年次書簡日本語仮訳版 エイズと社会ウェッブ版332

 国際エイズ学会(IAS)の2018年(つまり今年の)年次書簡『AIDS IS (STILL) POLITICAL』の日本語仮訳『エイズは(いまなお)政治的課題である』がPDF版で、API-Netエイズ予防情報ネット)に掲載されました。公益財団法人エイズ予防財団が翻訳に協力しています。

http://api-net.jfap.or.jp/status/world.html#a20180510

 

 実はこの書簡については、当ブログでも42日付けで『エイズと社会ウェブ版327』として紹介しています。その時のタイトルは『エイズは(いまなお)政治課題である』でしたが日本語仮訳版ではPOLITICALが「政治的課題」となっています。種明かしをすれば、下訳を不肖・私が自発的というか勝手に作成し、それ土台にしてIASの方に手を入れていただきました。末尾には『本仮訳は、 2018 4 月に公表された 国際エイズ学会( IAS )年次書簡 2018 を仮訳したものです。 ご利用にあたっては、原文もご確認ください』という但し書きがついています。原文はこちらです。

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 http://www.iasociety.org/Who-we-are/About-theIAS/Annual-Letter-2018

 原文の確認、くれぐれもお願いします。

 

 ということで、私も一丁噛みしてます、という自慢にもならないことをさりげなく(ていうかぁ、むしろ露骨に)アピールしたので、もう後は42日のブログを読んでください・・・おっと、これではあまりに愛想がありませんね。

42日のブログでは紹介しなかった部分を少し引用しておきましょう。世界の現状を見渡すと、2030年のエイズ流行終結に向けて達成軌道に乗っているところもあれば、新規感染は減るどころか、逆に激しく増えているところもある。導入部で、なんでこうなるの!? と問題提起を行い、『理由はひとつ:政治』という小見出しを掲げて本論に入る部分のすぐ後です。

 『資金が限られている国々でも、国として強い意思をもって取り組み、国際的な支援が充実していれば、流行が公衆衛生上の脅威となり得る状況を回避することができます。エイズに取り組む政治的意思が確固たるものであれば、科学の成果を、対策に直結させることができるのです。

 しかし、多くの場合、イデオロギーが先行して、肝心のHIV(公衆衛生全般)対策が遅れています。頻繁なドナーの変更、犯罪かのような取り扱い、非科学的な公衆衛生プログラムの採用といった有害ともいえる要素が、避けることのできない健康状態の悪化をもたらし、多くの国や地域でエイズ終結が遠のいています』

 かなり厳しい現状認識ですね。タイトルの(いまなお)の部分は赤い文字で強調されています。書簡はここからどう展開していくのか。せっかく日本語仮訳まで作ったので、ぜひお読みください(と勝手にIASに成り代わってお願いします)。