本日は連休後半に備え、朝食用の食パン買い出しという重要任務を果たすべく、老夫婦連れだって北鎌倉大遠征を敢行。せっかくここまで来たのなら・・・ということで、ブーンベーカリーの山ノ内食パンをどっさり抱え込む前に、新緑の美しい円覚寺にも寄ってきました。帰源院は文豪・夏目漱石が明治27年の暮れから翌28年1月まで、参禅のために滞在したという円覚寺の塔頭です。急な坂道をあがると、さらに・・・。
石段の先の山門は閉ざされているようですね。入っていいものかどうか、逡巡していると、庭仕事をしていた高齢の女性が上から声をかけてくださいました。脇の道を上がっていくと駐車場に出るので、そこから庭に入れますよ。
お言葉に甘えて・・・。「どこから見えたの?」。庭で少しお話をしました。ご住職のお母さんのようですね。
「由比ガ浜です」
「あら、私もよく海を見に行きました・・・」
福岡県の海辺の町のご出身で、望郷の念もあったのでしょうか。問わず語りのようにして、昔の話も少しだけ。
境内の石碑は夏目漱石の句を先々代のご住職が書かれたということです。
「仏性は白き桔梗にこそあらめ」
桔梗は秋の花ですが、新緑のお庭にはシャクナゲやツツジが見事でした。
帰りは門の脇のくぐり戸から出られますよと教えていただきました。お言葉に甘えて石段を下り、再び円覚寺山門の前に戻る。
左側の白い塀は松嶺院。細い坂道を上がっていくと開高健、田中絹代、池島信平、オウム真理教事件の被害者の坂本弁護士といった方々のお墓があります。開高健さんのお墓の前にはトリスの缶入りハイボールとサントリーのウィスキーの小瓶が備えてありました。
見下ろせば、新緑の境内。絶景ですね。墓地内は撮影禁止なので、その少し手前から山門の周辺を一枚。