トンネルを 抜ければ若葉の 雨上がり

 

 昨夜から吹き荒れていた春の嵐もおさまり、雨も上がりましたね。いよいよ新緑の季節到来。御成と佐助をつなぐトンネルの周りも木々の緑が鮮やかです。

 

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トンネルに入って振り返るとこんな感じ。いやあ、見事・・・

 

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ではありますが、内側の壁と天井はかまぼこ型で、コンクリートと波板の鉄板でおおわれています。ちょっと探検隊気分。

 

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 鎌倉には、こんな感じのトンネルがあちこちにあるようですね。いまも通行用に使われている現役トンネルもあれば、ほとんど使われないままなぜか残り、秘境を行くような気分になる隧道もあります。市街地の周囲を囲んで幾重にも連なる山々は、せいぜいがちょっと高い丘程度なのですが、歴史の重みが堆積し、緑も豊かなので風格は堂々たるものですね。ずっと以前に坂の下にある老舗のもち菓子屋さんで伊勢の赤福よりも昔からあるという力餅を購入した際に、店のおばあさんが「これは軍が掘ったのよ」と話していました。第二次大戦当時、米軍上陸に備え、秘密の抜け道として、トンネルがあちこちに掘られたということです。

 そうかあ、ゴジラもやってきたくらいだから、この辺りは上陸して帝都を目指すには格好の地だったのでしょうね。鉄板張りの壁からはじんわりと地下水がしみ出し、地面はいつも湿っています。このレトロかつじめじめとした秘境感。煌めくばかりの外の世界とのコントラストは見事なのですが、観光資源として大々的にアピールするのは少々、はばかられる遺産なのかもしれませんね。