再び国際セクシュアリティ教育ガイダンスについて エイズと社会ウェブ版328

 《中学生に自分のからだを守り、人生を選択できる力を育む知識を!》として、学習指導要領の見直しを求めるキャンペーンがchange.org というサイトで進行中です。

https://www.change.org/t/education-27?source_location=homepage

 私自身は賛成も反対もしていないので恐縮ですが、参考文献に挙げられている『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』については、改訂版が110日に国連から発表されているので、改めて紹介しておきましょう。

 ガイダンスそのものはかなり長く、内容的にも私のようなおじさんには荷が重いのでとても訳しきれません。

 ただし、ユネスコや国連合同エイズ計画(UNAIDS)の公式サイトには発表時に紹介記事(Feature Story)が掲載されていたので、そちらは日本語仮訳を作成し、私のブログに載せました。

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 《国際セクシュアリティ教育ガイダンスを改定 エイズと社会ウェブ版321

 http://miyatak.hatenablog.com/entry/2018/01/16/154204

 初版のガイダンスは2009年に発表され、change.orgでも参考文献として紹介されているように日本語版が昨年、明石書店から発行されています。初版翻訳チームの皆さんには大変だと思いますが、ぜひ改訂版の訳出も進めていただければ幸いです。

・・・ということで、多大な労力を要する仕事はすぐ人に押し付ける根性なしのおじさんの、しかも自分のブログからの孫引きで、重ねて恐縮ですが、Feature Storyに沿って改訂の趣旨を紹介しておきましょう。

ガイダンスは、すべての国の教育政策担当者を対象にして、5歳から18歳以上までの子供や若者にとって正確でそれぞれの年齢に適したカリキュラムを提供できるようにまとめられています。ユネスコのオードレ・アズレ事務局長によると、今回の改訂は『最新の科学的エビデンスに基づき、性教育を人権とジェンダーの平等という枠組みの中に位置づけることを再確認しました』ということです。

あくまで『再確認』なので、基本的な考え方は変わっていません。したがって、初版ガイダンスの日本語版の参考文献としての価値も、改訂版が出されたことによって低下するものではないと考えていいでしょう。

この点は大前提として抑えたうえでの話ですが、じゃあ、どこが変わったのかということになりますね。改訂ガイダンス序章の『1.3 なぜ改訂が必要なのか』というところにそのポイントがまとめられています。それをさらに圧縮して説明すると以下の3点が改訂理由といえそうです。

 

1 CSE(包括的性教育のこと)をこの10年近く進めてきた結果、世界各地で様々な教訓が得られているのでそれを生かす。

2 2030年を目標年とする15年間の持続可能な開発目標(SDGs)の中で、若い人たちへの性教育の重要性が教育、保健の両面から盛り込まれた。

3 インターネットとソーシャルメディアの普及で性に関する情報はあふれるように流れており、情報に対する評価や対応の基礎力を養う必要がある。

 

先ほど紹介した私のつたないブログにも『1.3 なぜ改訂が必要なのか』の一部仮訳を作成しましたので、あわせてご覧ください。