『隠されることで生まれる脆弱性』 エイズと社会ウェブ版317

 現代性教育研究ジャーナルNo81に掲載された連載コラムOne side/No sideの第9回です。こちらでPDF版をご覧ください。

www.jase.faje.or.jp

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 今月号は巻頭が、第18回JFS性科学セミナー報告「これからのオチンチンの話をしよう 男性セクシュアリティへの理解と支援」です。もちろん、この特集もしっかり読んでいただくとして、私の連載はずっと中の方の16ページに掲載されています。

 

《カリム博士によると、ロシアのMSMクリニックは次々に閉鎖に追い込まれ、HIV感染の高いリスクにさらされている人たちは、感染予防に必要な情報もケ アも得られない状態に置かれていた 。まさに「権利の不在」がHIV感染に対する脆弱性を高め、しかも「同性愛を宣伝する行為」が禁止されていることで、社会的にはその脆弱性すらも見えないまま感染が拡大していくという事態が進行した》

 

 来年はロシアでサッカーのW杯が開催されます。ソチ五輪のときのように、ロシア国内の性と人権をめぐる状況に国際社会の注目と批判が高まることになる・・・かどうか。世界の政治の指導者の顔ぶれもソチ五輪当時と比べると、だいぶ変わりました。そのあたりも頭に入れておく必要があるかもしれません。
 ところで、4月に連載を開始した時には、半年ももつかどうかと心もとない状態でしたが、なんとか年の瀬までこぎつけました。まだしばらくは担当させていただけそうなので引き続き、よろしくお願いします。できれば、あまり注目せず、ときどき気にかけてください。
 では、よいお年を。