名前だけではありません:AIDS.govがHIV.govに移行 エイズと社会ウェブ版273

 米国政府のHIV/エイズ啓発サイトAIDS.govの名称が、6月5日付でHIV.govに変わりました。あわせてサイトのリニューアルも行われています。

 http:// https://www.hiv.gov/

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  どうして名前を変更したのか、その理由については6月5日付のプレスリリース「名前だけではありません:AIDS.govがHIV.govに移行」に短い説明があります。それをさらに要約して言えば、

 ・治療の進歩でエイズを発症していないHIV陽性者の方が、エイズを発症している人より多くなっている。

 ・サイト検索のサーチは「AIDS」よりも「HIV」で行う人の方が圧倒的に多い

という2つの理由に集約できそうです。

 確かに「AIDS」より「HIV」の方が一文字、少ないので、検索には便利かもしれませんね。日本の場合はどうなのか、HIVがどこまで浸透しているかということを考えると、検索はカタカナで「エイズ」の方が多いかなあ。

 米国サイトのHIV.govへの名称変更は昨年秋に発表され、そのときは「今年春に変えます」ということでした。ところが4月になっても5月になっても変わらないので、いったいアメリカはいつまで春なんだと思ったり、ひょっとしてこれもトランプ政権発足に伴う混乱の一つ?などと変な邪推をしたくなったりもしましたが、実はエイズの最初の公式症例の日である6月5日まで引っ張っていたということですね。

 あざといというか、このぐらいの広報センスは最低限、必要と言いますか。

 このあたりのお手並みは、人手が足りず、何でも後手、後手の感が最近、とみに顕著になっている日本のエイズ対策とは大分違いますね・・・といいたいところだけれど、HIVの感染に関しては、日本の方がはるかに低く抑えているという現実もあります。

 ただし、日本のエイズ政策はお世辞にも立派とは言えず、HIV陽性者のグループやエイズ関連のNGO/NPO、研究者、医療従事者の皆さんのがんばりで、政府の手抜きを許してしまったかなあという反省も個人的にはあります。ただし、ここでそっちに話がそれていくと、ついつい愚痴も多くなり、いたずらに混乱を招くばかりなのでで、そのあたりの話題はいずれ・・・。

 ともあれ、HIV.govは名前を変えただけではなく、中身も一層充実させますということなので、取りあえずプレスリリースの日本語仮訳を紹介しておきましょう。

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名前だけではありません:AIDS.govがHIV.govに移行

 HIV.govプレスリリース 2017.6.5

https://www.hhs.gov/about/news/2017/06/05/more-name-change-aidsgov-becomes-hivgov.html

 米保健福祉省は本日、連邦政府の主要なHIV情報源であるAIDS.govの名称をHIV.govに正式変更した。この発表は、米疾病管理予防センター(CDC)が後にエイズと命名される疾病の最初の公式報告を行ってから36周年の記念日に行われた。名称変更は、ほとんど「死の病」とされていた疾病が、早期の診断と治療開始・継続により、感染を管理しエイズ発症を防ぐことが可能になるという大きな科学的成果を反映したものだ。米国内では実際、エイズを発症した人よりも、発症していないHIV陽性者の方が多くなっている。

 「1981年にこの病気が初めて認識されて以来、HIV/エイズ研究は大きな成果をあげてきました。今日では延命効果の高い抗レトロウイルス治療により、HIV陽性者はより長く、より健康的な人生を送れるようになっています。かつては不可能と思われていた成果です」と国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は語る。「AIDS.govのウェブサイトはこれまでも、HIV/エイズに関する情報を知りたい人にとっては価値ある情報源だった。HIV終結に向けて、なすべきことはまだまだ残されているとはいえ、HIV.govへの名称変更は、このパンデミック(世界的大流行)の形を変えてきた私たちの成果を反映するものである」

 2016年には800万人以上が、HIVに関する情報、およびHIV検査・ケア・治療を含むHIV関連のプログラムやサービスに関する情報を求めてAIDS.govウェブサイトとそのソーシャルメディアを利用している。名称変更は、この病気に関してオンライン情報を求める人たちのサーチの動向を踏まえたものでもある。ネットサーチ用語としては「HIV」の方が「AIDS」よりもはかに多く使われているのだ。

 「HIV.govへの移行は今後を見据え、より多くの人が使いやすくなるようにするものです。全米110万人のHIV陽性者を支える力強いメッセージを伝えます」とCDCのHIV/エイズ・ウイルス性肝炎・性感染症および結核予防センター所長、ジョナサン・マーミン博士はいう。「2014年の年間新規HIV感染者数は、2008年当時より18%も減っています。しかし、すべてのコミュニティで同じように成果が上がっているというわけではありません。HIV.govは科学的かつ正確な最新情報を提供し、そうした情報を最も必要とする人たちにとって有効な情報源となるようにしていきます」

 保健福祉省HIV/エイズ感染症対策事務所のリチャード・ウォリツキ―所長は「私たちは米国内のHIV/エイズとの闘いに大きな成果をあげてきました。アドボケート(活動家)や保健医療従事者、研究者、その他たくさんの人たちの30年を超える困難な努力の積み重ねがもたらした成果です。しかし、その仕事はまだ終わったわけではありません」と述べている。「新名称のウェブサイトは、たくさんの人の努力を支え、その成果を持続させてさらに前に進んで行けるよう役に立つ情報をタイムリーに提供します」

 HIV.govのサイトを訪れ、関連ソーシャルメディア・チャンネルをフォローするようお願いします。

 

 

 

 

More than a name change: AIDS.gov becomes HIV.gov

 

The U.S. Department of Health and Human Services today officially changed the name of AIDS.gov, the federal government’s leading source for information about HIV, to HIV.gov. The announcement coincides with the 36th anniversary of the Centers for Disease Control and Prevention’s first report of the initial cases of what would become known as AIDS. The name change reflects major scientific advances that have transformed an almost universally fatal disease to a condition that, if diagnosed and treated early and continuously, can be controlled and prevented from progressing to AIDS. In fact, there are more people living with HIV in the United States now than people living with AIDS.

 

“Much progress has been made in HIV/AIDS research since the disease was first recognized in 1981. Today, lifesaving antiretroviral therapies allow those living with HIV to enjoy longer, healthier lives—an outcome that once seemed unattainable,” said Anthony S. Fauci, M.D., director, National Institute of Allergy and Infectious Diseases. “The website AIDS.gov has been a valuable resource for those seeking information about HIV/AIDS, and its name change to HIV.gov appropriately reflects our evolution in transforming the pandemic, even as work remains to bring about an end to HIV.”

 

In 2016, more than 8 million people used the AIDS.gov website and its social media channels to find information about HIV or to find HIV-related programs and services, including HIV testing, medical care and treatment. The name change also embraces the way most people now search online for information about the disease. “HIV” is a much more common Internet search term than “AIDS.”

 

“The shift to HIV.gov is proactive and inclusive, and it sends a strong, supportive message to the 1.1 million people across America who are living with HIV,” said Jonathan Mermin, M.D., M.P.H., director of CDC’s National Center for HIV/AIDS, Viral Hepatitis, STD and TB Prevention. “The number of annual HIV infections in the U.S. fell 18 percent between 2008 and 2014, but progress has not been the same for all communities. HIV.gov will deliver current science, accurate information and links to effective resources for the people who need them most.”

 

“We’ve made important progress in the fight against HIV and AIDS in the United States. These improvements are the hard-won result of decades of work on the part of advocates, healthcare providers, researchers, the federal government—and many others—but our work is not done,” said Richard Wolitski, Ph.D., director of the HHS Office of HIV/AIDS and Infectious Disease Policy. “The newly named website will bring people helpful, timely information to support our collective efforts to sustain and advance our progress in this fight.”

 

Please visit the new site at HIV.gov and follow its related social media channels.