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このままでは選べない グローバルファンド次期事務局長の選出、今年後半に持ち越し

 今年5月31日で退任する世界エイズ結核マラリア対策基金(グローバルファンド)のマーク・ダイブル事務局長の後任選考が難航しています。2月27日の理事会で次期事務局長を選出する予定だったのですが、理事会では結論が出ず、決定は今年後半に持ち越されました。グローバルファンド日本委員会の公式サイトによると『次期事務局長が選出されるまでは、現在ナンバー2である官房長をのマライケ・ヴェインロクス氏が事務局長代行』を務めるということです。 

fgfj.jcie.or.jp

 なんでこうなるの!? と欽ちゃん走りしちゃいそうな展開ですね。ニューヨークタイムズの2月15日と28日の記事が背景を報じています。かいつまんで紹介しましょう。
 次期事務総長候補の絞り込みはノミネート委員会が担当し、多数の応募者の中から10人に絞り込んだ候補者をさらに3人に絞って、理事会に報告しました。


 ムハマド・アリ・ペイト氏(ナイジェリア元保健相)
 サブハヌ・サクセナ氏(シプラ社元CEO)
 ヘレン・クラーク氏(UNDP総裁、ニュージーランド元首相)

 この3人の中から27日に理事会が選出することになっていたのですが、クラーク氏は選出過程を不満として辞退し、残る2人のどちらか・・・と思っていたら、理事会で、いまは選べないという結論になりました。もう一回、選考をやり直し、年内には決定するということです。

 ここからは、私の推測もかなり入っていますが、どうも米国のトランプ政権発足がこの事態にかなり影響しているようですね。ニューヨークタイムズの記事によるとペイト氏はイスラム教徒で、大統領選当時からトランプ氏についてはツイッターなどでかなり批判していたということです。ヘレン・クラーク氏はUNDPのトップだし、サクセナ氏は国境なき医師団とも協力して事業を展開していたということです。米国はグローバルファンドへの最大の資金拠出者なんですが、トランプ大統領は国連に批判的であり、米国の国際援助資金のカットを表明してはばからない方なので、最後に残った候補者の誰一人としてトランプ新政権との相性がよさそうな方はいません。

 また、今回の選考に対しては、グローバルファンドの理事会のうち、資金を受けて事業を実施する立場の国やNGO側の代表から、プロセスをもっと透明化してほしいという要望も出ていました。候補者を事前に発表し、公聴会を開いて直接、意見を聞ける機会を設けるといったプロセスで、昨年の国連事務総長選出の際に採用されたプロセスとほぼ同じようなイメージでしょうか。

 仕切りなおしとなった選考プロセスがどのようになるのかはちょっとまだ分かりませんが、最短でも半年はかかりそうです。どんな人ならいいのか。ダイブルさんに引き続きやっていただくわけにはいかないのか。いかないでしょうね。というわけで、グローバルファンドも大変ですが、おそらくそれは氷山の一角、2017年は世界中のあちらこちらで試行錯誤が続く1年になりそうです。