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「HIV.gov」に名称変更へ 

 米国政府のHIV/エイズ啓発サイト「AIDS.gov」の名称がこの春から「HIV.gov」に変更になるそうです。昨年の世界エイズデー(12月1日)の前日にAIDS.govのコミュニケーション担当の方が公式サイトのブログで変更方針を発表しました。その日本語仮訳です。

 春というのは3月なのか、4月なのか。ブログには明確な期日は示されていませんが、変更されればすぐに分かることですね。

 なぜ変更するのかという背景説明も載っています。抗レトロウイルス治療の進歩で、HIVに感染した人の多くがエイズを発症せずに長く生きていること、サイトの検索にもキーワードとして「エイズ」より「HIV」の方が多く使われるようになっていることなどが理由として挙げられています。

 米保健福祉省HIV/エイズ感染症政策事務所のRichard Wolitski所長(事務所の名称、所長の名前の読み方、そして、そもそもこの方が所長なのかどうかも私は知らないので、詳しい方がいらしたら教えてください)という方の「HIVの感染を止めるという意味でも、HIVで健康が損なわれるのを防ぐという意味でも、名称変更により私たちすべてがより明確にHIV終結を目指していくことができます」コメントも最後に紹介されています。世間的には「エイズ」の方が通りはいいけれど、これまでの医学的な研究の成果とHIVに感染している人たちの生活の実情を踏まえれば、「HIV」をもっと強調すべきだという考え方に基づく変更ということのようです。

 ところで、日本ではどうなのか。

 「エイズ」という呼び方も、もともと英語由来の名称(というか略称)で、それが日本語化されるほどに根付いてしまったという事情が根底にあります。また、個人的には、HIVをなるべく使用するよう試みつつも、なかなか広がらないなあという実感もあります。そうしたことを考えながらエイズHIVを使い分け、今日に至るという面もあるので、激変は困難でしょう。今後も併用状態を認めつつ、それでもHIVエイズの違いを機会あるごとに説明する労はいとわず、徐々にでもHIVへの移行を進めていくといったところでしょうか。

 

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HIV.gov」に名称変更へ

 2016年11月30日、ミゲル・ゴメス、AIDS.govディレクター兼コミュニケーション担当上級顧問、米保健福祉省HIV/エイズ感染症政策事務所

https://blog.aids.gov/2016/11/we-are-changing-our-name-to-hiv-gov.html?hpslider=4

 

 世界エイズデーに際し、AIDS.govの名称を2017年春から、HIV.govに変更することを公表します。

 

なぜ変えるのか

 私たちは科学的成果とデータに基づき、利用者の声を集めてコミュニティのニーズに対応することを約束してきました。名称変更はこの約束を尊重するものです。科学的成果を反映したプログラムを進めていきたいと考えるからです。また、HIVという用語を使用する投稿者が増え、ウェッブサイトの情報検索も「HIVエイズ」で行われることが多くなっています。

 名称変更の準備にあたり、更新とフィードバックを皆さんと共有したいと考えています。変更後は「AIDS.gov」でこのプログラムを検索するユーザーが自動的に新しいURL(またはアドレス)につながる予定です。このプログラムは保健福祉省のマイノリティ・エイズ・イニシアティブ基金(SMAIF)の資金で運営されています。

 情報は迅速に共有したいと思います。詳細は下記をご覧下さい。フィードバックをお待ちしています。

 

背景

 

なぜ変更するのか

 HIVエイズの語られ方について、私たちは1年以上前から注目し、名称変更に関するパートナーや利用者の意見を集めてきました。また、他のウェブサイトやソーシャルメディアで使われている用語も調べ、その用語が当サイトではどう使われているかも確認してきました。その結果、以下のようなことが分かりました:

 

・科学は進歩している: 流行の初期から「エイズ」という用語は社会に広く浸透しています。研究者がエイズの原因を特定し、国際科学機関がその原因ウイルスをヒト免疫不全ウイルス(HIV)と命名する以前に、広く報道で使われたからです。

   現在では早期に検査で診断され、ケアにつながり、抗レトロウイルス治療(ART)を開始し、処方通りに治療を継続しているHIV陽性者は、生涯にわたってウイルス量を検出限界以下に抑え、エイズの発症を防ぐことができます。ウイルス量が抑えられているので、HIV陽性者(PLWH)の健康状態は改善し、HIV関連の死亡が減り、他の人への感染を防ぐこともできます。

   エイズはなくなったわけではありません。米国でも世界全体でも、多くの人がエイズを発症し、その併発症で亡くなっています。しかし、HIV感染の治療は何年にもわたって改善を重ねてきました。エイズはすでにHIV感染の避けがたい結果というわけではありません。ウイルス量を極めて低く、あるいは検出限界以下に抑え、エイズの発症を未然に食い止めることが現在のHIV医療ケアの第一目標となっています。効果的なARTにより、過去にエイズと診断された人も含め、ほとんどすべてのHIV陽性者がウイルス量の抑制を達成することができます。

   エイズではなくHIVに焦点をあてる理由はほかにもあります。一連の科学的成果によりHIV感染予防策は2010年以降、劇的に改善しました。HIV陽性者が早期に治療を受ければ、HIV陰性のパートナーへの感染は93%も減らせることが長期的な追跡調査で明らかにされています(HPTN052)。また、抗HIV薬の錠剤を1日1回服用することで、HIV陰性の人の感染リスクも大きく下げることができます。(iPrEx研究、TDF2研究、パートナーPrEP試験)。

・検索が変化している: 当サイトのインターネット検索は現在、「エイズ」よりも「HIV」の方が2倍も多くなっています。さらに私たちが加わるソーシャルメディアの会話でも“#HIV”という用語がフォーカスされています。名称をHIV.govに変えることで、ユーザーに必要な情報を提供するための私たちの能力が高くなります。

 ・ストーリーは進化している:流行の初期には、「エイズ・ビクティム(エイズの犠牲者)」という呼び方がしばしばなされました。しかし、エイズを発症した人の多くはそう呼ばれることに異を唱えています。自らを「犠牲者」とは思っていないからです。多くの人が「ピープル・ウィズ・エイズ」と呼ぶように求めています。HIV陽性者が自ら選んだ用語で自己を定義する動きの出発点でした

 

 現在では国内のHIV陽性者の多くが自分自身およびより広いHIVコミュニティについて議論をするときには、「エイズ」よりも「HIV」という言葉を使っています。

 コミュニティによるコミュニティのための他のサイトと同様、私たちのサイトのPositive Spin digital storytelling initiativeやBlack Voicesブログシリーズでもそうした動向は確認できます。

 

パートナーの意見は?

 名称変更の議論は、35年におよぶ対策の成果の反映であり、HIV陽性者が長く、健康的に生きていけるようになったことで、その必要性はますます強くなっています。

 私たちのパートナーも、「エイズ」という言葉がHIV感染のリスクに直面するキーポピュレーションへのサービス提供を困難にしていると指摘しています。「有色人種のコミュニティやLGBTコミュニティの若者が保健医療システムを避けるのは、エイズにまつわるスティグマをより多く経験しているからです。HIVについて現状を話し、それは死の宣告ではないと伝えることができれば、多くの人が診療所を訪れ、治療を受け、生きていけるようになるのです。他の医師もエイズの発想から抜け出し、人びとが生きていく助けになることを歓迎すると思います」とワレン・バンス・コミュニティ診療所のミシェル・コリンズ・オグレさんは語っています。

 「多数の人の努力と闘いの継続により、やっとここまできました。私が今の仕事を始めた1985年には、HIVに感染して生きることのリアリティは、現在とはまったく異なっていました。その成果をいかに嬉しく思っているか、説明もできないほどです。それでもまだ、私たちの仕事は終わりにはほど遠い状態です」と米保健福祉省HIV/エイズ感染症政策事務所長、リチャード・ウォリツキ博士は述べています。「HIV陽性者は、HIVに感染していない人と同じくらい長く生きられるようになりました。私はHIVに感染して20年以上生きていますが、エイズを発症するとは思っていません」

 ウォリツキ博士は次のように指摘しています:「HIVの感染を止めるという意味でも、HIVで健康が損なわれるのを防ぐという意味でも、名称変更により私たちすべてがより明確にHIV終結を目指していくことができます。HIV感染の防止とHIVケアの改善に献身的努力を続けている人たち、そしてエイズと診断されたか否かを問わず、私たちの中のHIVに感染している人たちのすべてが対象なのです。これからもHIV感染のリスクにさらされているすべての人たち、HIV陽性のすべての人たちのニーズに対応できるように活動を続けていきます。エイズを発症している人とそうでないHIV陽性者では、経験もニーズも異なっていること、そしてそれを考慮しながら活動を続けていく必要があることも理解しています。私たちすべてが、流行の終結という夢に向け、力をあわせて活動していく必要があります。目標の達成はすでに私たちの視野に入っています。ただし、まだ終わったわけではありません」

 

 

We Are Changing Our Name To: “HIV.gov”

 

November 30, 2016 • By Miguel Gomez, Director, AIDS.gov, and Senior Communications Advisor, Office of HIV/AIDS and Infectious Disease Policy, U.S. Department of Health and Human Services

 

 

This week of World AIDS Day, we are announcing that we will be changing our name from AIDS.gov to HIV.gov in the spring of 2017.

 

Why the name change?

 

We write frequently about our commitments to following the science, tracking data, gathering user feedback, and responding to the community’s needs—and our name change honors those commitments. We want our program to reflect today’s science, as well as the terms most of our visitors use to tell their stories about HIV or to search for information about HIV and AIDS on our website.

 

As we prepare for this name change, we’ll share updates and feedback we receive. After the changeover, our program, which is funded through the Secretary’s Minority AIDS Initiative Fund (SMAIF), will automatically redirect users who search for “AIDS.gov” to the new URL (or web address).

 

We look forward to sharing more with you soon! For more details about our name change, read below. And we look forward to your feedback.

 

 

Background

What factors are driving the change?

 

For more than a year, we’ve been listening to how people talk about HIV and AIDS, and we asked our partners and users for their input on the name change. We’ve also been watching how the terms are used on other websites and social media, and we assessed how they’re used on our site. Here’s what we found:

 

    Science is advancing: In the beginning of the epidemic, the term “AIDS” became implanted in the public’s mind because it was used in the popular press before researchers identified the cause of AIDS and an international committee of scientists named it the Human Immunodeficiency Virus (HIV).

 

Today, people with HIV who are diagnosed early, linked to care, start antiretroviral therapy (ART), and take it as prescribed, can achieve life-long viral suppression that prevents HIV infection from progressing to AIDS. Viral suppression improves health outcomes for people living with HIV (PLWH), reduces HIV-related deaths, and prevents transmission of the virus to others.

 

AIDS has not gone away. People in the United States and around the world still develop AIDS and die from its complications. But as our ability to treat HIV infection has improved again and again over the years, AIDS is no longer an expected outcome of having HIV. Today, stopping the progression of the disease before AIDS develops by suppressing the virus to very low or undetectable levels is the primary aim of HIV medical care. Effective ART means that almost everyone living with HIV can achieve viral suppression, including many of those who had been diagnosed with AIDS in the past.

 

There are other reasons for focusing now on HIV rather than AIDS. Since 2010, a string of major scientific advances have dramatically improved our ability to prevent HIV transmission. Key studies showed that early treatment of PLWH could reduce transmission of the virus to HIV-negative partners by 93% over extended follow-up (HPTN 052), and that taking a daily pill containing HIV drugs significantly lowered the risk of an HIV-negative person contracting the virus (iPrEx study, the TDF2 Study and the Partners PrEP trial ).

 

 

    Searches are changing: Today, twice the number of people who come to our website from internet searches use the term “HIV” rather than “AIDS.” In addition, the majority of the social media conversations we participate in focus on the term “#HIV.” Changing our name to HIV.gov will improve our ability to help our users find the information they need.

 

Stories are evolving: In the early days of the epidemic, the public often referred to “AIDS victims.” But many people living with AIDS pushed back against that term because they did not see themselves as “victims.” They asked to be called “people with AIDS,” and this marked the beginning of a movement by those with HIV to define themselves on their own terms.

 

Now many of the people living with HIV with whom we work across the nation use the term “HIV” more often than “AIDS” to discuss themselves and the wider HIV community.

 

We see this in the personal stories shared by those who are HIV-positive in our Positive Spin digital storytelling initiative and in our Black Voices blog series, as well as in other resources by and for the community.

 

 

 

 

What did our partners say?

 

Our partners tell us that the pending name change reflects the progress we’ve made over 35 years of the epidemic and reinforces that it’s now possible for individuals to live long and healthy lives with HIV.

 

Our partners also noted that the term “AIDS” continues to make it difficult to serve key populations at risk for/living with HIV infection. “A big reason youth from communities of color and the LGBT community don’t come into the healthcare system is because they experience more stigma associated with AIDS. Talking about HIV in its current state and that it’s not a death sentence helps people come into my clinic, get on treatment, and be able to live life. I think other physicians would also welcome the chance to get out of the AIDS mindset and help people live,” said Michelle Collins Ogle, at the Warren-Vance Community Health Center, Inc.

 

“So many people have worked so hard and fought for so long to get us to this place. I started doing this work in 1985 when the reality of living with HIV was so very different than it is today. I cannot tell you how happy I am about the progress that has been made, but our work is far from over,” said Dr. Richard Wolitski, Director of the HHS Office of HIV/AIDS and Infectious Disease Policy. “Now people with HIV can live just as long as their HIV-negative peers. I’ve been living with HIV for more than 20 years, and I don’t expect to ever develop AIDS.”

 

Wolitski noted: “This change focuses all of us more clearly on ending HIV, whether that’s stopping transmission or preventing the destructive effects of HIV on the body. It represents all of us who are dedicated to stopping HIV transmission and improving HIV care, as well as those of us who are living with HIV, regardless of whether we have been diagnosed with AIDS. We will continue working to address the needs of all people who are at risk for, or living with, HIV. We understand that the experiences and needs of people living with AIDS can be different from those of other people living with HIV and that we all need to take this into account in the work that we do. Together we’ll continue to work toward our dream of seeing the end of this epidemic. It is within our grasp, but our work is not over yet.”