TOP-HAT News 第101号(2017年1月)

 特定非営利活動法人エイズソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて毎月発行しているTOP-HAT Newsの第101号(2017年1月)です。HATプロジェクトのブログに掲載しました。当ブログにも再掲しますので、よかったらお読みください。

 昨年12月に第100号の節目を迎え、それを機にスタートした新企画《「はじめに」で綴るエイズ対策史》の紹介が中心です。

 

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TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)

        第101号(2017年1月)

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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発メールマガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。

なお、東京都発行のメルマガ「東京都エイズ通信」にもTOP-HAT Newsのコンテンツが掲載されています。購読登録手続きは http://www.mag2.com/m/0001002629.html  で。

エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部

 

 

◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

 

1 はじめに TOP-HAT Newsで見るエイズ対策史

 

2  2月19日に第30回日本エイズ学会参加報告会 

 

3 「国際エイズ会議 in 南アフリカ・ダーバン」参加報告

 

4 第2回HIV陽性者のための大規模ウェブ調査 Futures Japan

 

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1 はじめに TOP-HAT Newsで見るエイズ対策史

 ちょっと遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。波乱必至の1年でしょうが、今年もよろしくお願いします。

前号でもお伝えしたように、TOP-HAT Newsは昨年12月に節目となる第100号に到達しました。したがって本号は101号、年の初めと重なり、スタッフ一同、新たなる出発への思いを一段と強くして時代の荒波に臨む所存であります。

せっかくの節目なのだから、ということで、TOP-HAT News同様、東京都の委託を受けて特定非営利活動法人エイズソサエティ研究会議が運営にあたるHIV/エイズ総合情報サイト TOP-HAT Forum(東京都HIV/AIDS談話室)では、新企画《「はじめに」で綴るエイズ対策史》をスタートさせました。

http://www.tophat.jp/material/d.html

 

 ご覧いただけば分かるように、2006年6月の第1号発行以来、毎回の巻頭の記事「はじめに」を集めて掲載する特集ページです。第一弾として2006年6月~2009年7月のほぼ3年分15本を「その1」「その2」「その3」に分けて掲載しました。中身はTOP-HAT Forumのサイトでじっくりお読みいただくとして、ここでは見出しを紹介しておきましょう。

 

その1

・世界も東京も 第1号(2006年6月)

・中国の現状は? 第2号(2006年7月)

エイズ動向委員会報告から何を読むか 第3号(2006年9月)

・第20回日本エイズ学会が東京で開かれます 第4号(2006年11月)

 

その2

・広がる危機 第5号(2007年2月)

・12月1日は世界エイズデー 今年で20回目です 第6号(2007年11月) 

・世界のHIV陽性者数は3320万人 国連が新たなHIV/エイズ推計を発表 第7号(2008年1月)

・過去最高1448人 昨年の新規HIV感染者・エイズ患者報告速報値 第8号(2008年2月)

・アジアはどう闘うのか アジアエイズ委員会が報告書『アジアのエイズ再定義』 第9号(2008年8月)

・セプテンバーショック 第10号(2008年9月)

 

その3

・東京都がエイズ対策でパブリックコメント募集(第11号 2008年11月)

金融危機の世界とHIV/エイズ対策(第12号 2009年1月)

・東京都エイズ専門家会議が「最終報告」(第13号2009年3月)

新型インフルエンザ報道とエイズ対策(第14号 2009年5月)

ケープタウン会議から(第15号 2009年7月)

 

 TOP-HAT Newsがスタートする前年の2005年には第7回アジア・太平洋エイズ国際会議が神戸で開かれています。その大会議が成功をおさめ、盛り上がった反動もあってか、翌2006年は国内でエイズ対策への社会的関心がやや低下していた印象があります。

ただし、HIV新規感染報告は増加を続けており、ここで関心の低下にお付合いして、対策まで低下してしまったら大変なことになる。エイズ対策関係者の間では、そんな危機感も強かったように記憶しています。

一方、国際的には低・中所得国における治療の普及に力を入れなければならないということで、政治指導者の間にも危機感が共有されていました。治療の普及が予防にも効果があるぞ、ということが、医学分野から自覚的に語られるようになった時期でもあります。

2007年には国連合同エイズ計画(UNAIDS)が世界のHIV陽性者推計を大幅に下方修正しました。統計の精度が上がった結果ということで、かなり混乱がありましたが、同時にこれまでやってきたことの「手応え」を感じさせるような印象も受けました。

一方で、2008年にはリーマンショックがあり、2009年は新型インフルエンザの流行が広がり・・・ということで世界も日本もかなり浮き足立っていく時期が訪れました。その時々で関心の対象は移っていきますが、この浮き足だったような雰囲気は現在も続いているように感じられます。

見通しの立てにくい時代だからこそ、何が、どうエイズ対策に影響しているのかを見極めることが、対策の方針を定め、遂行していくうえでますます重要な作業になっているというべきでしょう。

TOP-HAT Newsはそのときどきに必要と思われる事象を「はじめに」で取り上げてきました。その蓄積効果が現状を把握し、「いま必要なことは何か」を判断するためのささやかな支えになってほしい。そんな期待を込めた新シリーズですので、折に触れて参考にしていただくようよろしくお願いします。 

 

 

 

2  2月19日に第30回日本エイズ学会参加報告会

 昨年11月に鹿児島市で開かれた第30回日本エイズ学会学術集会・総会の参加報告会が2月19日(日)午後2時から4時まで、エムワイ貸会議室高田馬場9階RoomG(東京都新宿区高田馬場1-29-9、JR山手線・西武新宿線高田馬場」駅戸山口徒歩2分)で開かれます。

 一般社団法人HIV陽性者支援協会のスカラシップを受けて学会に参加したHIV陽性者が、その成果や経験を報告します。参加料は無料で、どなたでも参加可能。事前申込みも不要です。プログラムには「一般社団法人HIV陽性者支援協会の解散について」という気になる報告もあります。

 http://www.ca-aids.jp/event/170219_aids_gakkai_30.html

 

 

 

3 「国際エイズ会議 in 南アフリカ・ダーバン」参加報告

 第21回国際エイズ会議は昨年(2016年)7月18~22日の5日間、南アフリカのダーバンで開かれました。6月にニューヨークで開かれた「エイズ終結に関する国連総会ハイレベル会合」の成果を引き継ぐ注目の会議でしたが、南アフリカは距離的にかなり遠いこともあって、日本からの参加者はあまり多くなかったようです。その数少ない参加者の報告が特定非営利活動法人ぷれいす東京の公式サイトにアップされました。

 http://ptokyo.org/activities/data/7513

 

 会議の1カ月余り後の昨年8月31日に東京で開かれた「ぷれいす東京」主催の報告会の様子に加え、会議開催中に「ぷれいす東京」のスタッフがダーバンから発信した南ア便り、API-Net(エイズ予防情報ネット)に掲載されている研究者の参加報告なども紹介されています。

 

 

 

4 第2回HIV陽性者のための大規模ウェブ調査 Futures Japan

 HIV陽性者の日常生活を多角的にとらえるためにFutures Japan(HIV Futures Japanプロジェクト)がウェッブによる第2回大規模調査を実施しています。調査期間は2016年12月25日~2017年6月25日です。詳細は下記サイトをご覧下さい。

 http://survey.futures-japan.jp/

 

 調査の対象はHIV陽性者で、第1回調査は2013年~2014年に実施され、詳細な分析結果も報告書にまとめられています。

 Futures Japanは昨年9月7日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見を行っており、そのレポートおよび会見動画(Youtube日本記者クラブチャンネル)は日本記者クラブ公式サイトで見ることができます。

 http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2016/09/r00033812/