読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Remember(おぼえていよう)~ゲイメンズコーラス観賞記 エイズと社会ウェブ版257

エイズと社会 国際感染症関係論

 北風が寒い。
 その前に暖かい日が2、3日あったせいか、12月10日(土)、つまり昨日は恐ろしく寒さが身にしみました。
 関東地方の中では比較的、温暖とされる相模湾沿いの海辺の町からはるば出張っていったせいもあるのでしょうが、東京のビル風はことのほか寒いね。


 あれ? 都心のビル風には日々の通勤でおなじみのはずだけど・・・。休日の体感温度はそれとはまた別ということでしょうか。
 ♪北風(かどうか方角は分からないけれど)吹きぬく~、寒い夕方、民家やお寺にはさまれた細い道を風に向かって歩いて行くと、その正面には国立国際医療研究センターの巨大な建造物。昨日はそのセンターの中央棟にある吹き抜けの大きなスペースで東京エイズウィークスのメイン行事の一つ、ゲイメンズコーラスのミニコンサートがありました。

f:id:miyatak:20161211112036j:plain


 普段は患者さんや面会の人たちが、コンビニで買った飲み物や食べ物を摂りながら談笑したりできるスペースなんでしょうね。階段を下りた一画には小さなステージもあり、外部からコンサートを聴きに集まった人たちだけでなく、病院の患者さんや職員の方もふらっと寄って楽しめる。
 ミニコンサートにはなかなか恵まれた舞台です。まずはこのような場を提供して下さった国立国際医療研究センターの皆さん、中でも昨年に続きご尽力いただいたエイズ治療・研究開発センター(ACC)の皆さん、そして合唱団員募集の案内に応じ、この2カ月あまり練習に打ち込んでこられた出演者や裏方スタッフの皆さん、ありがとうございました。
 寒風吹きすさぶ戸外とは異なり、会場はもろもろの皆さんのさまざまな思いが、♪ペチカ燃えろよ~と積み重なって暖かな空気に包まれる1時間となりました。
 感想をいえば、単純ですが、良かったのひと言でしょうか。初めから用意していたというアンコール曲『上を向いて歩こう』を「みなさんもご一緒に」歌ったときには、涙もろいおじさんはもう、本当に涙がこぼれそうで上を向いて歌っていましたよ・・・。


 ACCの岡慎一センター長のあいさつに続き、最初の曲は「Clim'b Ev'ry Mountain」。ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」からの一曲で、歌った後の指揮者の方の解説によると、人生のさまざまな試練(山)を一つ一つ乗り越えていこうといった意味があるそうです。
 私たちも一人一人、様々な事情を抱え、何とか社会と折り合いを付けて暮らし、そして今日、このステージに・・・。
 ちょっとはにかみながら、それでも心にずしんと来ることを、けっこうさらりと伝えてしまう指揮者のトークもまた、会場の雰囲気をほぐしながら魅力的でした。
 同じくミュージカルからの一曲に続いて松田聖子メドレー。中村キースへリング美術館の方のトークをはさんで、札幌のエイズ啓発イベントをきっかけに生まれたという「大空」という一曲。この曲の前には、札幌からこの日のために駆けつけてこられ、ステージにも立たれた作曲者からの自作解説もあり、「世界エイズデー」に伝えるべき、あるいは託したいメッセージも、しっかり伝わってきた感じですね。
 そして中島みゆきさんの「誕生」は、生まれた時にWelcome(生まれてくれてありがとう)と言われたこと、出会ったこと、一緒に生きてきたことをRemember(おぼえていよう)と歌っています。「Remember」のリフレインにはとりわけ力が込もり、たぶんステージ上の皆さんのひとりひとりの思いが込められていたのではないか・・・というところで、『上を向いて歩こう』につながったもんだから、ついつい・・・。


 最後のアナウンスだと会場は未定ですが、来年もこのミニコンサートは行いますとのこと。合唱団員の一員としてステージ最前列に立っていた特定非営利活動法人ぷれいす東京の生島嗣さんが来年は第31回日本エイズ学会総会・学術集会の会長なるので、このコンサートもおそらくは学会の関連行事として、今回以上にたくさんの人を集めるでしょうね。背景を言えば昨年の第29回エイズ学会(岡慎一会長)開催をきっかけに生まれたイベントです。準備には関係各位の様々なご苦労もあることと思いますが、できれば昨年、今年、そして来年と、同じ会場で開催されることを期待したいと思います。
 ということで、病院の外に出ても、夜風は意外に暖かく・・・と書いて終わりたいところですが、師走の(世間の、とは言いません)風は、やっぱり冷たく、おじさんお人生も相変わらず厳しい。おお、さぶっ。とはいえ、暖まったぞ。

 

(追加)東京エイズウィークスのFaceBookにも昨日の報告が載っています。
 数字を紹介すると、コンサートの出演者は36人、来場者は200人を超えたということです。
 https://www.facebook.com/TokyoAIDSweeks/?hc_ref=NEWSFEED&fref=nf


 《昨日は200人を超える方にご来場いただき、本当にありがとうございました。36人の出演者の皆様、本当におつかれさまでした。3日間という短い練習のなかでの演奏でした。なかには、パート音源をつかい自宅でレッスンをしていた人もいます。6曲を無事に演奏できて本当にうれしく思います。
 リーディングのゲストには中村キースヘリング美術館Art&FashionディレクターのHIRAKUさんをお迎えしました。グレースジョーンズの手記を朗読してもらい、ご自身のアメリカ在住時の友達とパートナーたちのこと、HIV感染や死、薬物依存などについてもお話しいただきました》