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自信も必要、自戒も必要 ウェールズ戦の3点は何を意味するのか

 昨日は夜11時半から日本テレビで日本代表vsウェールズ代表戦の中継があり、なるべく夜更かしはしないという禁をおかしてTV観戦しました。年寄りは寒さに弱いので、室内でも防寒具を着込み、毛布をかぶってジャパンの健闘を応援・・・の声は、遠くイギリスにまでは届かなかったと思うけど、おしい試合でしたねえ。


 日本 30 - 33 ウェールズ

 わずか3点、それもウェールズは終了5秒前のDGでなんとかホームでの勝利をつかんだという息も絶え絶えの展開でした。でも逆に言えば、日本代表は最後の最後に同点に追いつきながら、ついに勝ちきることができず、引き分けのまま守りきることもできなかったということでもあります。
 2019W杯に向けて、この壁、善戦でなく勝利を!の壁をどう突き破るか。依然、大きな宿題を抱えていることも明らかになりました。
 TV観戦の印象では、日本は試合の中盤、大事なところでペナルティを取られ、試合の流れをつかみかけては失っています。それでも点差を大きく開かれずに食い下がり、追いついていくという粘りは立派でした。これは昨年のW杯南ア戦以来の自信が選手に共有されていることの貴重な成果というべきでしょう。ただし、食らいついた後で先に出ることはできなかった。

 昨年の南ア戦ではついにこの壁を超え、それは日本のラグビー環境にまで大きなインパクトを与えました。いい流れです。

 けれども、その勝利に「奇跡の」という枕言葉がつくのではなく、「日本ならやるかもしれない」と常に警戒されるだけの力があるのかというと、そうなれる可能性は十分にあるけれど、現状はまだそのレベルには達していない。ノビシロは大きいけれど、まだまだラグビーに関しては新興国です。
 ワールドラグビーのサイトで昨日の試合記録を確認したのですが、両チームのペナルティ数は載っていませんでした。したがって、具体的な数字の裏付けは分からないのですが、観戦していた印象では、中盤以降、ウェールズの反則は非常に少なかったように思います。ゲームプランの中でレフェリーの笛の傾向も含めた軌道修正がはかられていたのかもしれません。
 ウェールズのハウリー監督代行は試合後、「日本が上のチームだった。勝利にふさわしいラグビーをした」と語ったそうです。多少の外交辞令は割り引くとしても、実感がこもっているように感じられます。
 http://www.sanspo.com/rugby/news/20161120/wld16112014260005-n1.html

 ただし、それでもウェールズは負けなかったし、日本は勝たなかった。引き分けでもなかった。このあたりの試合の運びは国際試合を重ねて経験値を高めていくことで身につくのかもしれません。若い選手を積極的に起用する。ジョゼフ・ジャパンの方針は今後も貫いてほしいですね。
 年寄りには夜更かしは毒だけど、地上波で海外の試合を中継してくれるようになった。これはうれしい。1年前の南ア戦勝利の貴重な効果です。
 2019W杯に向けた日本ラグビー界の動きには、残念ながらいまなお、何かとぎくしゃくした印象があるように感じられますが、そうした中にあっても、勝利がもたらす求心力はなによりの力になります。
 その意味ではジョージア戦は良かったし、ウェールズ戦は残念でした。ただし、いまの日本は世界の強豪国ではないので、うっかりウェールズに勝っちゃったりすると、選手はともかく、協会の皆さんが変に安心して根拠のない自信を持ち、ろくなことにならないかもしれません。
 その意味では最後のドロップゴールによる失点は苦くもまた良い薬だったと思いたい。自信も必要、自戒も必要。11月のテストマッチシリーズはそんな印象でここまで来ました。選手の皆さんの健闘を称えつつ、そして勝利も敗北もともに飛躍の糧とすべく、次のフィジー戦に臨み、願わくば遠征を勝利で締めくくろう。