米国内でクラミジア、淋病、梅毒の3つの性感染症報告が増加

 ニューヨークのApicha コミュニティヘルスセンターのFacebookに10月20日のワシントンポストのサイトの健康記事がシェアされています。米国ではクラミジア、淋病、梅毒の3つの性感染症の報告件数が過去最高を記録して増えているという内容です。

https://www.facebook.com/APICHACommunityHealthCenter
 日本国内で梅毒の報告が増加していることもあり、米国の動向も気がかりです。何か共通する要因があるのかどうか。まったくの個人的な感想レベルの印象で恐縮ですが、今年7月の第21回国際エイズ会議(南アフリカ・ダーバン)で英国のヘンリー王子が指摘した「自己満足のリスク」にどこかつながる現象なのではないか。HIV/エイズ対策に引きつけて他の性感染症の動向を考えるとそんな印象も受けます。
 ワシントンポストの記事は、米疾病予防管理センター(CDC)による性感染症動向の年次報告の紹介です。先ほど紹介したApichaコミュニティヘルスセンターのFacebookの10月21日か22日の書き込みでシェアされています。もとのワシントンポストの記事はこちらですね。 

www.washingtonpost.com

 以下部分的に要約して紹介します。 
 米疾病予防管理センター(CDC)が発表した年次報告によると、米国では昨年、クラミジアの報告件数が150件を超え、その前年の6%増。淋病は約40万件で13%増。梅毒は2万4000件近くに達し、19%増だったということです。
 記事によると、CDC担当者はこの増加について、国内の予防システムの多くが失われている中で増加が起きていると語っているそうです。米国内の州および地方のSTDプログラムの半分以上が予算カットを余儀なくされ、その結果としてこの1年で20以上のSTDクリニックが閉鎖されたということです。記事はまた以下のような2015年のデータを紹介しています。
・昨年の米国人の新規クラミジア報告の3分2、新規淋病報告の半数は15~24歳
・新規淋病報告ともっとも感染しやすい梅毒の症例報告の半数以上は男性とセックスをする男性で占められている
・2015年の女性の梅毒報告は2014年の27%増
・感染した妊娠女性から赤ちゃへの先天性梅毒の母子感染報告は6%増