手を上げて、開けば・・・UNAIDSが世界エイズデーキャンペーン開始 エイズと社会ウェブ版250

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2016年世界エイズデーキャンペーンがスタートしました。ここ何年か世界エイズデーはやや低調だった印象もありますが、今年はちょっと力が入っているようですね。

 「T as P」で予防は行けるぞ!みたいな気分が世界中に広がって、医療関係者がやたらとハイになる一方、変な楽観ムードも広がり、ちょっと嫌な感じでしたが、案の定といいますか・・・。世界全体では少なくとも最近5年間、治療の普及が相当、進んだはずなのに、成人のHIV感染の減少傾向は止まってしまった。こりゃあ、もっと真剣に考えなければいかんぞ!という気分にようやくなってきたようです。

 もちろん、治療の進歩を予防対策にも生かすという視点は重要ですが、それだけに頼るような気分になって、こつこつと積み上げてきたこれまでのHIV予防や支援の努力をせせら笑うような「科学的態度」に対しては、おじさんはずっと賛成できなかったし、いまも賛成できません。そうですか、世界はようやく極東の島国のおじさんに近づいて来ましたか、結構、結構・・・などと自己満足に浸っている場合ではありませんね。

 われわれは自己満足というリスクに直面している。英国のヘンリー王子もこうおっしゃっていたではありませんか。いまこそ、新たな予防の技術も含め、包括的に様々な努力が相乗効果を発揮できるような動きをつくっていく必要があります。

 

 話をもとに戻しましょう。今年のUNAIDSの世界エイズデーキャンペーンのテーマは

 《 Hands up for #HIVprevention 》 です。えっ、どういうこと?

 写真を見ると、手のひらに太陽を・・・みたいな感じですが、開いた手には、コンドームだとかアクセスへの権利とか、様々なメッセージが書かれています。ここはひとつ、UNAIDSのFacebookからキャンペーンの趣旨を短く紹介した文章を日本語仮訳で紹介しておきましょう。

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 成人の新規HIV感染の減少は止まっています。世界全体で少なくとも過去5年間は推計で毎年、190万人の成人がHIVに感染し、地域によっては新規感染者が増加しているところもあります。

 12月1日の世界エイズデーに向けてこのページを使い、あなたにとってHIV予防とは何か、そしてHIV予防の努力を強化するには何が必要なのか、教えてください。あなたの手のひらに、単語や短いフレーズを書き、写真を撮ってそれを共有しましょう。

 世界エイズデー2016のテーマについてもっと詳しく知りたい人、キャンペーン資材をダウンロードしたい人は、UNAIDS公式サイトのキャンペーン特設ページ bit.ly/2cZKJwy へどうぞ。 

 

The decline in new HIV infections among adults has stalled. Worldwide an estimated 1.9 million adults have become infected with HIV every year for at least the past five years and the number of new HIV infections is rising in some regions.

In the lead up to World AIDS Day on 1 December, use this page to tell us what HIV prevention means to you, and what needs to be done to strengthen HIV prevention efforts. Write a word or short phrase on the palm of your hand, take a photo, and then share it.

For more information about World AIDS Day 2016, this year’s theme, and to download campaign materials, visit bit.ly/2cZKJwy.