《エイズ基本情報》を一部更新(東京都HIV/AIDS談話室) 

 TOP-HAT FORUM公式サイトのエイズ基本情報欄の情報を一部、更新しました。

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 『エイズの流行 日本の現状』
 平成27年動向年報では、岩本愛吉委員長が28年5月25日に厚生労働省で記者会見を行った際に以下のような委員長コメントを発表しています。
1.新規HIV感染者報告数及び新規AIDS患者報告数は平成26年に引き続き減少した。女性の新規HIV感染者報告数は過去3年間、46件、50件、58件と数は少ないが増加傾向を示した。
2.新規HIV感染者及び新規AIDS患者の感染経路としては、性的接触によるものが8割以上で、男性同性間性的接触によるものが多い。HIV感染症は予防が可能な感染症である。HIVに感染していない者においては、適切な予防策をとること、HIVに感染した者においては、まずは自分の感染を知ることが、今後の感染拡大を防ぐために重要となる。国民の皆様には、保健所の無料・匿名での相談や検査の機会を積極的に利用頂きたい。
3.献血における10万件当たりの陽性者件数は昨年に比して減少した。血液製剤によるHIV感染を防ぐため、HIV感染症が疑われる場合、国民の皆様には保健所等での無料・匿名検査を積極的に利用頂きたい。
4.新規HIV感染者・AIDS患者報告数に占めるAIDS患者報告数の割合は、約3割のまま推移している。早期発見は個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつく。自治体におかれては、エイズ予防指針を踏まえ、引き続き利便性に配慮した検査相談体制を推進していただきたい。
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 なお、こちらは同じページの3年前の記述ですが、基本的な構図は変わっていないので、そのまま残してあります。心ない「ほどほど論」の跋扈にめげず、何とか持ちこたえているという感じでしょうか。関係各位のご努力には頭が下がります。
 石の上にも3年といいますか、中学、高校なら3年で卒業というか・・・(ちょっと趣旨が違うか)。
《かりに実際に感染が拡大から横ばいの傾向に転じているとしても、それは「年間1500件程度の新規報告」があるということですから、引き続き予防対策に力を入れることは大切です。もちろん、日本の人口規模を考えると新規感染者・患者報告数が年間1500件程度にとどまっているということは、国際的な観点からすれば、流行が極めて低く抑えられているということでもあるのですが、それだけに逆に、対策の継続が困難になっているという側面もあります。「エイズ対策はもう、ほどほどでいいんじゃないの」といった雰囲気が広がり、対策に関する社会的な支援の意識が薄れていく危惧もあるからです 》
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 『エイズの流行 世界の現状』 
 2015年の1年間で新たに200万人が治療を開始し、世界全体で治療を受けているHIV陽性者の数は1700万人になりました。それでも、世界全体の抗レトロウイルス治療カバー率は2015年末時点で46%(43~50%)ということで、まだ道半ばという印象です。
 一方で、治療の普及が進んでいるにもかかわらず、成人の新規HIV感染件数はここ数年、世界全体でみるとほとんど減っていないことも指摘され、治療の普及や予防対策を支える観点からも、社会的に弱い立場の人たちへの支援の重要性が強調されています。
 
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