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HIV陽性者大規模調査の成果を報告 日本記者クラブ記者会見 エイズと社会ウェブ版247

エイズと社会 国際感染症関係論

 Futures Japanプロジェクトの井上洋士代表(放送大学教授、写真中央)と日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス(JaNP+)の高久陽介代表(左)のお二人が9月7日午後、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見を行いました。

 

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 You tube日本記者クラブチャンネルの会見動画および会見報告が下記サイトでご覧いただけます。

www.jnpc.or.jp

《わが国のエイズ政策は感染症法に基づくエイズ予防指針に沿って進められている。この予防指針はほぼ5年ごとに改訂されており、来年がその見直しの年にあたるため、調査はそれを念頭に置いて実施し、要望書がまとめられた。Futures Japanプロジェクトでは、今後も継続してこうした地道な作業を続ける方針で、今年12月には第2次大規模ウェブ調査を開始する予定だという》

 

 厚労省への要望は、膨大な調査結果の分析をもとに以下の4項目にしぼられています。

(1) HIV陽性者のメンタルヘルス改善および相談先の充実

(2) 院内他科(エイズ拠点病院のエイズ診療以外の診療科)、一般医療機関、介護福祉施設などとの連携強化

(3) 子供を持ちたいと考えるHIV陽性者への十分な情報の提供

(4) 依存症患者への回復支援

 HIV陽性者のより積極的な参加(GIPA)は、国際的なエイズ対策の大原則ですが、社会の現状を考えれば、自らの感染を明らかにすることが困難な立場にある陽性者も少なくありません。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)はGIPAに関する政策方針の中でそうした現実も念頭におきつつ、《GIPAは個人の感染公表を要求するわけではなく、「見えない=参加できない」という意味でもない》と指摘しています。それでは「見えない=参加できない」の壁をどう乗り越えるか。大規模ウェッブ調査はその方策のひとつ(唯一ではないにしても)を示す試みでもあります。

 会見における記者の出席は比較的、少数でした。この関心の低さが気になるところではありますが、この点はいまに始まったことではないので、嘆いてもしょうがないですね(激しく嘆きたいけど・・・)。ただし、会見は数ではありません。質で評価しましょう(注:司会者の質に関してはこの際、あえて言及を避ける)。

 お二人の発言は大変、貴重であり、かついま取り組むべき課題を的確にとらえています。会見報告の拙い文章では残念ながらそのあたりがうまくまとめきれていませんが、Youtubeの日本記者クラブチャンネルで会見録画を見られるようになったことで、会見の記録性、発信性は飛躍的に高まりました。エイズ予防指針見直しの議論にも反映されるのではないかと思います。