まだシーズンは終わらない

 残念ではありますが、日本代表の力は確実にあがってきた。代表チーム同士が対戦するテストマッチでは初の天覧試合。しかも、味スタには3万を超える大観衆。土曜日の午後7時から9時過ぎという時間帯に地上波でテレビ中継というのも、かつてないことではなかったか。
 返す返すも僅差の敗戦は悔やまれますが、負けて得られるものも小さくはない。勝てばラグビー人気はまた一段と盛り上がったでしょうが、選手たちには手応えも課題も、勝利へのモチベーションも、ますます感じられる試合だったと思います。
 試合の内容からしても、この敗戦で一気にしぼんでしまうというものでは少なくともなかった。選手の健闘は称えたい。
 唯一のトライシーンは見ていて、わくわくとしました。金正奎、茂野海人という小柄な選手たちの活躍は、体格にはさほど恵まれていない大多数の高校生ラガーにも勇気を与えたのではないか。
 6月のテストマッチ月間はこれで終わりですが、ラグビーシーズンはさらに続きます。これが去年までとは違うところですね。サンウルブズの選手たちは7月2日(土)にスーパーラグビーの今季国内最終戦、秩父宮ラグビー場でオーストラリアのワラターズと対戦します。その後は南ア遠征で2試合。厳しい日程ですが、長丁場のシーズンをどう乗り切っていくのか、その経験値を高めることも、2019年のW杯日本大会に向けた不可欠の課題です。