【鎌倉海びより】124 震災から5年 3宗教合同の祈り


 本日のSANKEI EXPRESSに掲載された連載コラム【鎌倉海びより】の124回目です。

【鎌倉海びより】124 震災から5年 3宗教合同の祈り

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 三寒四温どころか、日替わりで一寒一温ではないかと思うほど2月は気温の上下が激しかった。それでも3月に入るとさすがに春らしくなる(ことを期待したい)。

 江ノ電やJRの鎌倉駅には、冷え込みが厳しかった頃から『東日本大震災 追悼・復興祈願祭』の開催を知らせるチラシが置かれていた=写真。上部に印刷されているシンボルマークの「榊」「蓮」「白百合(しらゆり)」は、それぞれ神道、仏教、キリスト教を象徴しているという。

 早春の町を歩くと店頭や江ノ電の各駅にも同じデザインのポスターを見かける。

 鎌倉の神道、仏教、キリスト教の宗教者が東日本大震災の犠牲者追悼と被災地復興を祈願して鶴岡八幡宮に集まったのは震災1カ月後の2011年4月11日だった。

 この被災地への祈りがきっかけになって2年後に発足した鎌倉宗教者会議の公式サイトによると『参加した宗教者は仏教関係105人、キリスト教関係約110人、神道約25人。テント席に入れなかった信者数をあわせると、400人を超える宗教関係者が参列した』という。境内の一般参列者は約1万人に達した。

 翌12年からは、毎年3月11日に引き継がれ、3宗教合同の犠牲者追悼と被災地復興への祈りは続いている。会場は12年が建長寺、13年カトリック雪ノ下教会。そして14年は鶴岡八幡宮に戻り、昨年は円覚寺だった。神社、お寺と続き、今年は再びカトリック雪ノ下教会が会場になる。

 『大震災から5年を迎えるその日、その時間。鎌倉の神道、仏教、キリスト教が合同祈願を執り行います』

 地震発生時刻だった午後2時46分には市内の寺院や教会の鐘が鳴らされる。会場に来られない人もともに黙祷(もくとう)を捧(ささげ)げることができるようにするためだ。