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2020年までに年間200億個のコンドームを UNAIDSプレス声明  エイズと社会ウェブ版217

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)が2月12日付で、コンドーム使用の促進を呼びかけるプレス声明を公式サイトに発表しました。日本語仮訳はHATプロジェクトに掲載しましたが、せっかくの機会なので、解説部分の一部記述の重複も含め、当ブログでも紹介しておきます。
 http://asajp.at.webry.info/201602/article_4.html

f:id:miyatak:20160214121033j:plain

 

 世界のあちらこちらでHIV治療に取り組むお医者さんや製薬関係者が、T as P、T as P(予防としての治療)・・・と熱に浮かされたように唱え、日本国内ではそれを真に受けて(というか一段と曲解して)コンドーム普及にはもはや効果は期待できないといわんばかりの発言を繰り返す保健関係者も出てくる(ごく一部だけど)中で、なんでまたこの時期にコンドーム普及の声明なの?と思ったら、2月13日は国際コンドームデーなのだそうです。
 このことは実は「お恥ずかしながら達人も知りませんでした」というコンドームの達人、岩室紳也先生のfacebook情報で知りました。達人が知らなかったくらいだから、私も知らなくて当然(・・・居直っちゃいけませんね)ではあるけれど、そうでしたか。
 バレンタインデーの前日がコンドームデーというのは、ちょっとできすぎの感もありますが、それで普及効果が高まるのなら、まあ、よしとしましょう。
 見出しの年間200億個というのは低・中所得国への供給目標です。世界全体では、そして日本では、年間どのくらいのコンドームが使用されているのか。200億個が世界の使用量の何%程度になるのか。これは調べれば分かりそうですね。ご存じの方がいらしたら、お教えいただくようよろしくお願いします。 
 なお、昨年(2015年)7月7日にはUNFPA、WHO、UNAIDSが連名で『コンドーム使用とHIVおよび他の性感染症予防、望まない妊娠の予防に関する見解(ポジション・ステートメント)』というのを発表しています。そちらの日本語仮訳も当ブログで読むことができるので、ご関心がお有りの方はあわせてお読みください。
 http://miyatak.hatenablog.com/entry/2015/07/11/005518

 ということで、また2月12日のプレス声明に戻りますが、『世界では平均すると毎日100万人以上が性感染症(STIs)にかかり、年間で推定8000万人の女性が望まない妊娠をしている』ということです。このSTIsの中にはHIV感染も含まれるのでしょうね。HIVの年間新規感染数は約200万人ということですから、1日平均だと・・・ん~(焦)、5000人から6000人の間ですね。
「コンドームのように簡単に使え、効果的で費用も安い手段があるのに、そのアクセスがないために多くの人がHIV性感染症に感染している。これは受け入れがたいことです」とUNAIDSのルイス・ロレス事務局次長もおっしゃっています。

 昨年12月に、ぷれいす東京のオフィスを表敬訪問された方ですね。
 《UNAIDSの2016~21新戦略では、低・中所得国において2020年までに年間200億個のコンドームが利用できるようにし、不定期のパートナーとの直近の性行為におけるコンドーム使用率を90%に上げるという野心的な世界目標を設定している》

 もちろんコンドームがすべてということではなく、多様な予防の選択肢の長所短所を把握し、組み合わせて予防効果を高めていこうというごくごく常識的なコンビネーション予防の考え方の中で、治療もコンドームも有効かつ適切に活用しようということでしょうか。
 以下、日本語仮訳を掲載しますのでご覧下さい。

    ◇

2020年までに年間200億個のコンドームを  UNAIDSプレス声明
http://www.unaids.org/en/resources/presscentre/pressreleaseandstatementarchive/2016/february/20160212_condoms

ジュネーブ 2016年2月12日】 - 世界では平均すると毎日100万人以上が性感染症STI)にかかり、年間で推定8000万人の女性が望まない妊娠をしている。STIおよびHIV感染の予防に98%の有効性があることが証明されている。また、男性用、女性用コンドームを正確に、そして常に使用すれば望まない妊娠を防ぐこともできる。
 過去20年以上の間にコンドーム使用は拡大したものの、それでも一連の調査では、不定期のパートナーとの直近の性行為でコンドームを使用した人の割合は国によって80%から30%以下まで大きなばらつきがある。各国は緊急にコンドームと水溶性潤滑剤の使用を呼びかけ、供給していく必要がある。
 国連合同エイズ計画(UNAIDS)はすべての人が自分自身とパートナーをHIV、STIs、望まない妊娠から守れるようにするため、資金提供者および各国政府に男性用、女性用コンドームの普及、配布のための投資を拡大するよう呼びかけている。
 「コンドームへの投資が生命を救います」とUNAIDSのルイス・ロレス事務局次長はいう。「コンドームのように簡単に使え、効果的で費用も安い手段があるのに、そのアクセスがないために多くの人がHIV性感染症に感染している。これは受け入れがたいことです」
 コンドームは極めて費用対効果が高い予防手段であり、HIV感染の予防に大きく貢献してきた。1980年代以降、推定で約5000万人のHIV感染がコンドームによって防がれている。費用は安いとはいえ、サハラ以南のアフリカではここ数年、コンドーム普及のための国際資金調達は停滞している。2020年までに年間の新規HIV感染者を50万人以下に減らすというUNAIDSの目標を達成するには、HIV予防に対するより積極的な政治的関与と投資の拡大が必要になっている。
 各国のコンドーム使用促進には国際的な協力と協調が必要である。コンドーム配布と普及のための国内予算の拡大と民間からの投資も求められている。
 UNAIDSは国連人口基金UNFPA)やその他のパートナーとともに、性感染症の新規感染が最も多く発生している国々に対するコンドーム・プログラムへの投資、およびコンドーム普及に向けた新たな投資拡大に取り組んでいる。UNAIDSの2016~21新戦略では、低・中所得国において2020年までに年間200億個のコンドームが利用できるようにし、不定期のパートナーとの直近の性行為におけるコンドーム使用率を90%に上げるという野心的な世界目標を設定している。



UNAIDS calls for 20 billion condoms by 2020

GENEVA, 12 February 2016―Every day, more than one million people acquire a sexually transmitted infection (STI) and every year there are estimated to be around 80 million unintended pregnancies. Condoms are proven to be 98% effective in preventing STIs and HIV. In addition, male and female condoms prevent unintended pregnancies when used correctly and consistently.

Despite increased use of condoms over the past two decades, studies show that reported use of condoms during a person’s most recent sexual encounter with a non-regular partner ranged from 80% in some countries to less than 30% in others. There is an urgent need for countries to strengthen demand for and supply of condoms and water-based lubricant.

UNAIDS is calling for increased investments by donors and governments for the promotion and distribution of male and female condoms in order to ensure everyone has access to condoms to protect themselves and their partners from HIV, STIs and unintended pregnancies.

“Investing in condoms saves lives,” said UNAIDS Deputy Executive Director Luiz Loures. “It is unacceptable that so many people are becoming infected with HIV and sexually transmitted infections because they do not have access to something as easy to use, effective and low cost as condoms.”

Condoms are extremely cost-effective and have made a major contribution to preventing new HIV infections. An estimated 50 million HIV infections have been averted through condom use since the 1980s. Despite the low cost of condoms, international funding for condom procurement in sub-Saharan Africa has slowed in recent years. To achieve UNAIDS’ target of reducing new infections to fewer than 500 000 by 2020, more political commitment and increased investment in HIV prevention are needed.

Collaborative partnerships are needed to support national efforts to encourage the use of condoms. Action is also needed to increase domestic funding and private sector investment in condom distribution and promotion.

UNAIDS is working together with the United Nations Population Fund and other partners to support renewed investment in condom programming and to accelerate the scale-up of their use in the countries where most new STIs are occurring. The new UNAIDS 2016–2021 Strategy has set an ambitious global target to increase the availability of condoms to 20 billion per year by 2020 in low- and middle-income countries and to achieve 90% condom use during the most recent sexual activity with a non-regular partner.