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『悲しき雨音』を超えて エイズと社会ウェブ版213

『つまり、21 世紀初頭以降のわが国の HIV 感染報告の増加傾向は、MSM 層の性感染の急激な拡大の反映であり、それが「高止まり」とはいえ、「横ばい」傾向に推移してきたのは、以下の 2 つの要因が大きく影響した結果ではないかと個人的には考えている。
(1)この拡大傾向を察知して、東京、大阪などの大都市圏のゲイコミュニティと HIV 陽性者支援のNPO/NGO、研究者が協力していち早く感染予防の対応をとった。
(2)抗レトロウイルス治療の普及が、HIV に感染している人の体内のウイルス量を低く抑え、感染予防の面でも好結果をもたらしている』

 日本性教育協会が発行する現代性教育研究ジャーナルNo58(2016年1月)に掲載していただいた《『悲しき雨音』を超えて わが国のHIV/ エイズ対策の現状とカスケード戦略》の一部です。「予防としての治療」が成立するには、前提として「予防としての支援」もまた重視していかなければならない。例によって、おじさんは自分の言っていることにあまり確信があるわけではなく、かなり腰が引け気味ではありますが、そんなことを遠慮がちに書いています。今年あたりから始まりそうな議論の参考にしていただければと秘かに思っています。 

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HIV 感染の予防には、幅広い分野のさまざまなプレーヤーが関与する必要がある。検査や治療の普及はもちろん重要ではあるが、医療に大きく軸足を置いた「予防としての治療」ですら、医療だけでは課題は解決しない。たとえば、HIV 陽性者や HIV 感染の高いリスクにさらされている人が就労や日常の生活で大きな不利益を受けるような社会では、感染を心配する人が自ら進んで検査を受けようという気持ちにはなれない。
 カスケードは、実はそうしたことも含めて、対策のどこに弱点があるかを把握するツールとして活用すべき手法だろう』

 けっこう長文なので、ごくごく一部の引用です。ご関心がお有りの方は日本性教育協会の公式サイトでダウンロードできますので、PDF版をお読みください。
 http://www.jase.faje.or.jp/jigyo/kyoiku_journal.html#current_number