チャーリー・シーン氏をめぐる当惑 エイズと社会ウェブ版201

 米国の映画俳優、チャーリー・シーン氏(50)が11月17日(火)、米NBCの朝のテレビ番組TODAYに出演し、エイズの原因となるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染していることを明らかにしました。有名人のHIV感染公表とあって米国のメディアではかなり大きく報じられ、日本の新聞やテレビも取り上げています。ただし、その取り上げられ方や公表の背景などを報道から判断すると、どう受け止めたらいいのか、少々、複雑でもあります。

 

 日本語で得られる情報として比較的、詳しく扱っているCNNのニュースサイトによると、シーン氏は公表した理由について「この猛攻や攻撃の集中砲火、それに多くの人たちの健康を脅かしているという、事実とかけ離れた有害なうわさを食い止めなければならない」と語ったそうです。これだけだとちょっとよく分かりませんね。CNNのサイトにはこんな説明もあります。

 

《信頼できると思った複数の人物に診断結果を伝えたところ、うち数人から、事実を公表されたくなければ金を払えとゆすられ、要求に応じたとも証言。支払った金額は1000万ドル(約12億円)を超すという》

 

 うっかり人を信用するとエライ目にあう・・・教訓はそこじゃないだろうという感じもしますが、ついついそんなことを思ってしまいますね。公表の動機はこのあたりのようで「今日以降は払わない」そうです。最初から払わないで、エイズ対策に回してくれたらよかったのにと思わないこともありませんが、そういう発想には至らないのがHIV/エイズにまつわる社会的スティグマの強さでしょうか。特別視する必要はないけれど、「エイズは普通の病気です」などということもとても言えません。無関心を差別や偏見が存在しないことへとすり替えてしまう悪質な無邪気さのようなものも、もう一度、振り返って見る必要があります。

 

 そのほかの情報を要約すると、シーン氏は4年前にHIV感染が分かり、現在も感染はしているがエイズは発症していません。主治医によると抗レトロウイルス治療により体内のウイルス量は抑制されていて「他人に感染させた可能性は皆無ではないが、極めて低い」ということです。

 

 UNAIDSは2030年までに「公衆衛生の脅威としてのエイズ流行終結」を目指しており、そのために「だれも置き去りにしない」ことの必要性を強調しています。私は人間ができていないせいか、それでもシーン氏のテレビ出演には、ご都合主義的といいますか、いまいちしっくり来ない違和感をぬぐえませんでした。あくまで番組のビデオ映像を見た印象の範囲ですが、この違和感はなんでしょうか。

 

 NYのTOMOKO YOSHIDAさんからはACT UP NYのFacebookで紹介されていた以下のような記事をシェアしていただきました。Micというウェブ・ニュースサイトの記者、マシュー・ロドリゲス氏の記事のようです。

 

Before you talk about Charlie Sheen, You Need to Know These 11 Truths about HIV

チャーリー・シーンについて何かを読むのなら、その前にHIVについてこれだけは知っておきたい11のこと

http://mic.com/articles/128685/here-s-what-you-need-to-know-about-hiv-before-you-read-anything-about-charlie-sheen#.LZLFDtTm7

 

 シーン氏のテレビ出演がメディアをはじめ各方面で大きな話題になるとともに、いろいろな混乱も生じるであろうということを予想して、いくつかの論点をあらかじめ紹介しています。本稿の末尾に日本語仮訳を紹介しておきますが、とりあえず11項目の見出しだけ抜き出すと以下の通りです。

 (日本語仮訳はあくまで本文のみを訳したものでMicのサイトには他にも図などの資料が豊富についています。そちらは上記urlで元のサイトをご覧下さい、)

 

 1 これは「エイズの隠蔽」ではない

 2 HIV感染は乱交の結果ではない

 3 HIVに感染している人と寝ることがそのままHIV感染のリスクになるわけではない

 4 HIVはもはや、とりわけ「致死率が高い」ウイルスではない

 5 薬物使用者をおとしめる機会でもない

 6 HIVは家族に影響を与える

 7 50歳以上のHIV陽性者について語る必要がある

 8 シーンは世界で最も注目されるHIV陽性者になりつつある

 9 どんな人物であれ、HIVの「顔」といった役割を軽々に担わせてはならない

 10 HIV陽性者は刑事司法制度の中で不当に扱われている

 11 シーンはセックスワーカーと遊んだ – しかし、いまはそれを考慮から外しておく

 

 Tomoko Yoshidaさんからは以下のようなメッセ―ジが添えられています。

 『チャーリー・シーンのカミングアウトで、図らずも、今も偏見や差別があることを再確認することに。ならば、せめてこれくらいは知っておこうぜ、ということで書かれた記事ということです』

 その通りですね。かなり論点が整理されると思うので、ぜひ日本語仮訳をご覧下さい。個人的には9番目の『どんな人物であれ、HIVの「顔」といった役割を軽々に担わせてはならない』に今回の違和感を解く鍵があるかもしれないという印象を漠然と受けています。

 『ケイトリン・ジェンナーが微妙なダンスを演じなければならなかったように、異性愛者のHIV陽性白人男性であることでシーンも交差性という両刃の剣に直面することになるだろう。シーンはHIV陽性者であり、それはスティグマ化された病を抱えるということである。しかし、白人の異性愛男性であることで、彼は一般層より49倍もHIV感染のリスクが高いトランスジェンダーの女性、あるいは新規HIV感染全体の20%を占める若い黒人のゲイ男性とは異なるカテゴリーに属している。それでもなお、シーンの経験は危うい。多くの異性愛男性がHIVコミュニティの中では「見えない存在」であると感じることを報告している』

 

 参考までに付け加えておくと、ACT UP NYのFacebookには昨日(18日)の段階でシーン氏の発言に関しては『We're speechless. For now(とりあえず、何もいうことはありません)』という書き込みがありました。勝手に決めつけてはいけないけれど、やはり当惑しているのでしょうか。

 

     ◇

 

Before you talk about Charlie Sheen, You Need to Know These 11 Truths about HIV

(日本語仮訳)

チャーリー・シーンについて何かを読むのなら、その前にHIVについてこれだけは知っておきたい11のこと

 

 

 チャーリー・シーンは火曜日(17日)、人として、非常に人間らしいことを公表した。ウイルスに感染しているということだ。このヒト免疫不全ウイルス(HIV)は世界中で推計3500万人の体内に存在している。米国ではHIVに感染して生きている人は120万人であり、年間5万人が新規に感染を予防するのに失敗している。

 

 シーンが感染を明らかにすると、私たちのFacebookのフィードとツィッターのタイムラインにもこの見出しが押し寄せ、その多くがスティグマを強めるものだろう。誰かがとくに悪いというわけではない。HIVに対するスティグマはこれまでにもあったものだ。ただし、いまシーンに関する見出しや書き込みを読むのなら、あらかじめ基本的な知識を得て、迷信に惑わされず、事実を知るようにすることが大切だ。

 

 

1 これは「エイズの隠蔽」ではない

HIVエイズは同じものではない。HIVはウイルスであり、エイズはT細胞数が非常に低い人が受ける診断である。シーンが自らのT細胞数を明らかにするまで – そんな義務は彼にはないが – 彼がエイズについて話しているように扱うことはできない。

 人がウソをついてHIV感染を隠蔽するようなことはまれである。HIVスティグマHIVに関する否定的で、根拠のない考え – がHIV検査を受け、感染の有無を知り、感染を明らかにすることを妨げているのだ。サイスリー・ボールデンのように感染を打ち明けたら刺殺されてしまうようなことがある世界では、感染を公表しないことは自らを防衛する手段なのだ。

 

2 HIV感染は乱交の結果ではない

 体液 – 精液、先走り液、膣分泌物、母乳、血液 – はHIVを含んでいる。そしてHIVはこうした体液との接触を通して感染する。体液がHIVを含んでいなければ、HIVに感染するリスクはない。コンドームを使わない人の多くがこのためHIV感染のリスクなしにセックスをしている。実際、私たちの両親がコンドームなしのセックスをしていたから私たちが生まれたのだ。

 

3 HIVに感染している人と寝ることがそのままHIV感染のリスクになるわけではない

 HIVは体液内で生きている。HIV治療がうまくいっているHIV陽性者は体液内のHIV量を大きく減らすことができている。この状態はHIVを検出限界以下に減らすと呼ばれる。

 現状では、HIV陽性のアメリカ人のうちウイルス量が検出限界以下の人は30%にとどまっている。何が妨げになっているのか。貧困、スティグマ、飢餓、そしてまず人種差別である。検出限界以下の状態を維持するには、毎日薬を1錠ないし数錠のむ必要がある。将来的には、別の選択肢も服薬継続が困難な人に用意されるかもしれないが、いまはない。

 ウイルス量が検出限界以下の人は、他の人にHIVが感染する可能性は大幅に減ることが分かっている。コンドームなしのセックスを時々行うミックスドカップル(HIVに感染している人と感染していない人のカップル)数千組を対象にした研究で、HIV陽性の人のウイルス量が検出限界以下だったカップルは、相手への感染が一件も報告されなかった例もある。

 

4 HIVはもはや、とりわけ「致死率が高い」ウイルスではない

 米国では、HIVに「死のウイルス」というレッテルを貼る理由はすでにない。米国内では120万人のHIV陽性者が生きているのだ。その多くが長生きをし、きちんと生活しているのだ。実際、HIV陽性者が感染後、早期に感染を把握し、治療を開始すれば、平均寿命をまっとうすることが期待できるのだ。

 生きている人に死をもたらすのはHIVスティグマである。HIVに感染して生きる人がそのために自らスティグマを持ち、鬱状態に陥ったり、体調を悪化させたりすることはしばしばある。

 

5 薬物使用者をおとしめる機会でもない

 シーンには注射薬物使用歴はないとはいえ、クラックやコカインの使用歴はある。薬物使用、コンドームなしのセックス、抑鬱は悪循環になることがしばしばある。シーンが薬物使用者であると知ることは、彼がHIVに感染しても仕方がない人であるということではない。むしろ彼は米国内でケアを受けずに放置されてきた人の一人なのだ。

 連邦政府の注射器具交換への資金助成禁止政策はいまも発効している。このことは注射薬物使用を安全に行いにくくなるということでもある。また注射器交換はしばしば、注射針を使う人を精神保健プログラムにつなぐ役割も果たしている。インディアナ州で今年春、HIVの恐るべきアウトブレークが発生したときには、州知事が公衆衛生担当者の意見を聞き、30日間の注射針交換プログラムを導入している。

 

6 HIVは家族に影響を与える

 シーンは父親である。ストレートであれ、ゲイであれ。多くの父親がHIVに感染している(ストレートである私の父親もその1人だ)。「家庭的」であるかどうかにかかわらず、シーンには家族がいる。そして、HIVからの影響の受け方は家族によってそれぞれ異なっているのだ。RecollectorsはHIVがどのように家族に影響を与えたのかを話し合う人たちのコミュニティである。そうした家族の話を読むことは、この問題が単に一人の男の話にとどまるものではないことを知る助けになるだろう。これは家族にとっての問題でもあるのだ。

 

7 50歳以上のHIV陽性者について語る必要がある

 HIV陽性者の半分以上が50歳以上で占められる日はすでに、明日にでもやってくる状態である。事実、POZマガジンは有力な長期生存者(HIVに感染してから20年以上生存している人)100人のリストを発表したばかりで、その多くは50歳以上である。HIV陽性者が長く生きられるようになるつれ、HIVを抱えて生きることで直面する問題も加齢による他の条件の変化が加わり、複雑の度を増してくる。

 

8 シーンは世界で最も注目されるHIV陽性者になろうとしている

 アービン・マジック・ジョンソンとともに、シーンはいま、HIV陽性であることを明らかにした最も有名な人物となった。それとともに平均的な人なら心配する必要のない健康上の数多くの噂にも取り巻かれている。ほとんどのHIV陽性者は自らの状態を自らの言葉で考えるのだが、シーンの場合は自分の健康が全国的に興味を持たれていることを知るはずだ。HIVに感染していることを最近、明らかにした俳優のダニー・ピンタウロの例でも分かるように、シーンも自らの発言の行方をコントロールすることはできないだろう。

 

9 どんな人物であれ、HIVの「顔」といった役割を軽々に担わせてはならない

 ケイトリン・ジェンナーが微妙なダンスを演じなければならなかったように、異性愛者のHIV陽性白人男性であることでシーンも交差性という両刃の剣に直面することになるだろう。シーンはHIV陽性者であり、それはスティグマ化された病を抱えるということである。しかし、白人の異性愛男性であることで、彼は一般層より49倍もHIV感染のリスクが高いトランスジェンダーの女性、あるいは新規HIV感染全体の20%を占める若い黒人のゲイ男性とは異なるカテゴリーに属している。それでもなお、シーンの経験は危うい。多くの異性愛男性がHIVコミュニティの中では「見えない存在」であると感じることを報告している。

 

10 HIV陽性者は刑事司法制度の中で不当に扱われている

 シーンが何度か刑事司法制度のお世話になってきたことは知られている。HIV陽性を公表した以上、今後は刑務所で過ごす機会が増えることをもっと深刻に考えなければならないだろう。HIV陽性者は警察官による扱いから量刑に至るまで、法的に差別を受けている。米国の約3分の2の州がHIVの「感染を明らかにしない」とか、HIVに感染させた、曝露したといった理由でHIV陽性者を懲役刑を科すことができる法令を有している。

 最近では大学のレスラーのマイケル・ジョンソンが合意に基づく性行為で30年の刑を受けている。ケリー・トーマスはコンドームを使い、ウイルス量は検出限界以下で、相手はHIVに感染していないのに同様の結果だった。感染を伝えたことを証明するのは困難であり、スティグマは現実に存在することから長く関係のある相手に対してであっても、HIVに感染している人は刑務所に放り込まれるのだ。セロ・プロジェクトのショーン・ストラブ事務局長はこうした現象について「HIV Is Not a Crime(HIVは犯罪ではない)」と題した短編ドキュメンタリーフィルムを製作している。

 

11 シーンはセックスワーカーと遊んだ – しかし、いまはそれを考慮から外しておく

 セックスワーカーは、他の人と同様、HIVに感染することを望んでいない。すべてではないが、ポルノスタジオやエスコート・ウェブサイトのようなフォーマルなネットワークに属するセックスワーカーの多くには、サポートシステムがあり、コンドーム使用を交渉することができる。コンドーム使用を交渉することができないセックスワーカーについては、スティグマではなく、自らの状態を知るためのサービスが必要だ。しかし、いま行っているのはシーンについての議論であり、セックスワーク産業の議論ではない。

 

 

 

Here's What You Need to Know About HIV Before You Read Anything About Charlie Sheen

 

Charlie Sheen, human, announced Tuesday that he did a very human thing - he caught a virus. That particular virus, human immunodeficiency virus or HIV, is living inside the bodies of an estimated 35 million people worldwide. In the United States, 1.2 million people are living with HIV and the U.S. fails to prevent about another 50,000 infections every year.

 

As Sheen discloses his status, headlines will flood our Facebook feeds and Twitter timelines and many of them will be stigmatizing. This is no one's particular fault. HIV stigma is something we are taught. But as you encounter headlines and stories about Sheen, it's important to bring knowledge to them that will help you cut through the myths and get to the facts.

 

 

  1. This was not an "AIDS cover-up."

HIV and AIDS are not the same thing. HIV is a virus and AIDS is a diagnosis that people who have very low T cell counts receive. Until Sheen discloses his T cell count - which he has no obligation to do - we cannot use the word AIDS in relation to his story.

People very rarely "cover up" their HIV status to lie. HIV stigma - negative, unfounded ideas about HIV - keeps many people from testing, knowing their status and disclosing their status. In a world where people like Cicely Bolden are stabbed to death for disclosing, choosing not to disclose may be an act of self-preservation.

 

  1. HIV isn't the result of promiscuity.

Bodily fluids - semen, pre-ejaculate, vaginal secretions, breastmilk and blood - carry HIV, yes. And it's through contact with these bodily fluids that HIV is transmitted and acquired. If bodily fluids do not contain HIV, there is no risk for HIV transmission. Many people who engage in condomless sex do so at no risk for HIV. In fact, our parents engaged in condomless sex to birth us.

 

  1. Sleeping with people living with HIV does not automatically put one at risk for HIV.

HIV lives in bodily fluids. People with HIV who are on successful HIV treatment have a drastically reduced amount of HIV in their bodily fluids. This is called being undetectable.

Currently, only 30% of HIV-positive Americans have an undetectable viral load. What stands in the way of being undetectable? Poverty, stigma, hunger and racism for a start. Being undetectable requires that people take either one or several pills every day. In the future, there may be options for people with adherence troubles, but there is no such current option.

When a person has an undetectable viral load, their chance of transmitting HIV is drastically reduced. In one study, thousands of mixed-status couples who sometimes had sex without condoms never transmitted the virus because the HIV-positive partner had an undetectable viral load.

 

  1. HIV is not particularly "deadly" any more.

In the context of the United States, there is no reason to label HIV as a deadly virus anymore. Those 1.2 million people living with HIV in the United States are living. Many of them are living long, successful lives. In fact, if a person living with HIV catches their virus early enough and begin treatment, they're expected to lead an average life span.

 

What is deadly to those living with is HIV stigma. Living with HIV can often lead to feelings of self-stigma, which can lead to depression and worse health outcomes.

 

  1. This is also not an opportunity to shame drug users.

While Sheen does not have a history of injection drug use, he does have a history of crack and cocaine use. Often, drug use, condomless sex and depression form a vicious cycle. To know that Sheen is a drug user does not mean he is someone who did something to deserve HIV. Rather, he is someone who is often uncared for in the United States.

The federal syringe exchange funding ban is still in effect. This means there's less access for those who do use injection drugs to be able to do so safely. Also, syringe exchanges often link those who use needles into mental health programs. In the spring, when Indiana experienced a devastating HIV outbreak, the governor listened to public health officials and instituted a needle exchange - for 30 days.

 

  1. HIV affects families.

Sheen is a father. Many fathers, straight or gay, get HIV. (My straight father was one of them.) Whether Sheen is a "family man," he is a man with a family and every family is affected by HIV differently. The Recollectors is a community of people who have coalesced to share stories about how HIV affected their families. Reading some of their stories may help in framing how this is not just one man's story. This is a family story.

 

  1. This is a time to talk about people over 50 living with HIV.

Any day now, more than 50% of the people living with HIV will be 50 or older. In fact, POZ magazine just released a list of 100 influential long-term survivors - people, many over 50 - who have lived with the virus for over 20 years. As people with HIV live longer, challenges of living with HIV will be complicated by other conditions associated with old age.

 

  1. Sheen is about to become the most high-profile person living with HIV in the world.

Along with Earvin "Magic" Johnson, Sheen is now the most famous person to have disclosed his HIV-positive status. With that comes the numerous rumors about his health the average person does not have to worry about. While most people with HIV get to think about their status on their own terms, Sheen will learn about his health on a national stage. As we saw with actor Danny Pintauro's recent HIV status disclosure, Sheen's narrative will not be under his control.

 

  1. We shouldn't be so quick to assign anyone the job of being the "face" of HIV.

As a white, heterosexual man living with HIV, Sheen will face the double-edged intersectionality sword much like the delicate dance Caitlyn Jenner learned to perform. Sheen is living with HIV, a stigmatized disease. However, as a white heterosexual man, he is in a different category from transgender women, who are 49 times more likely to have HIV than the general public, or young gay black men, who are about 20% of all new HIV infections. However, Sheen's experience is still precarious. Many heterosexual men report feelings of being "invisible" in the HIV community.

 

  1. People with HIV have unjust interactions with the criminal justice system.

We know Sheen has had several encounters with the criminal justice system. However, after his HIV-positive disclosure, he may face more serious jail time. People with HIV face legal discrimination, whether it's mistreatment from police forces to extended jail sentences. About two-thirds of states in the United States have HIV-specific statutes that can land people with HIV in prison for "nondisclosure" or transmission or exposure.

Currently, college wrestler Michael Johnson is serving 30 years in prison for consensual sexual encounters. The same is true for Kerry Thomas, who used a condom, had an undetectable viral load and did not transmit HIV. Because disclosure is hard to prove and HIV stigma is real, those with HIV are often thrown in prison, even if they were in long-term relationships. Sean Strub, executive director of the Sero Project, directed a short film about this phenomenon called HIV Is Not a Crime.

 

   11. Sheen hung out with sex workers - but leave them out of this.

Sex workers, like the rest of us, do not want to acquire HIV. Many sex workers, but not all, who are part of formal networks, like porn studios or escort websites, do have support systems and ways to negotiate condom use. For those sex workers who cannot negotiate condom use, they need more services to allow them to learn their status, not more stigma. But for now, we're talking about Sheen, not the sex work industry.