17項目の持続可能な開発目標(SDGs)については、国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所の公式サイトに日本語訳で紹介されています。
http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sdg/post-2015-development-agenda.html
『グローバル目標は、ミレニアム開発目標(MDGs)、すなわち、2015年までに世界が達成を約束した8つの貧困対策目標を土台としています。MDGsで見られた大きな前進は、目標やターゲットが実証した共通目標の意義を示しています。しかし、MDGsの成果にもかかわらず、すべての人が貧困という尊厳が傷つけられる事態を脱するまでには至っていません』
MDGsの成果は目標6の感染症対策ではとくに目覚ましかったと思いますが、それでもHIV/エイズ、マラリア、結核といった感染症の流行は続いています。そこで、以下の指摘につながります。
『グローバル目標は、MDGsで積み残された目標を達成し、誰も置き去りにしないことを確実にするものです』
MDGsで「積み残された目標」の範囲が大幅に拡大しています。したがって、MDGsに入っていた目標の比重は相対的に軽くなっているような印象ですが、決してそういうことではありませんということは、この際、指摘しておきたい。最も高い成果を収めたと評価できるHIV/エイズ対策にしても、「AIDS IS NOT OVER」です。まだ、終わっていません。終わるどころか、15年間の成果を踏まえ、いよいよこれからが正念場というところまでようやくこぎ着けたととらえるべき状態です。
野心的に「誰も置き去りにしないこと」を目指し、各分野ともこれまで以上に課題解決のための熱意と工夫が問われることになります。
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UNDP駐日事務所の公式サイトから17目標の日本語訳を見出し部分だけ紹介しましょう。各項目の説明部分はサイトを直接、ご覧ください。
目標1: 貧困をなくす あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
目標2: 飢餓をなくす 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
目標3: 健康と福祉 あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
目標4:質の高い教育 すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標5: ジェンダー平等 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
目標6: きれいな水と衛生 すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
目標7: 誰もが使えるクリーンエネルギー すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
目標8: 人間らしい仕事と経済成長 すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
目標9: 産業、技術革新、社会基盤 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
目標10:格差の是正 国内および国家間の格差を是正する
目標11:持続可能な都市、コミュニティづくり 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
目標12: 責任ある生産と消費 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
目標13: 気候変動への緊急対応 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
目標14: 海洋資源の保全 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
目標15: 陸上資源の保全 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
目標16: 平和、法の正義、有効な制度 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
目標17:目標達成に向けたパートナーシップ 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する