2030年のエイズ流行終結を目指し、責任の共有と世界の連帯を 第69回国連総会が呼びかけ エイズと社会ウェブ版185

 

 2001年6月の国連エイズ特別総会(UNGASS)コミットメント宣言、2006年6月の国連エイズ特別総会ハイレベル会合政治宣言の2つの採択文書の実施状況を確認するため、国連総会は毎年、事務総長に報告書の提出を義務づけています。その2015年報告書が6月9日の国連総会会合で各国から歓迎されたことを伝える国連合同エイズ計画(UNAIDS)の紹介文と報告書の要旨部分の日本語仮訳をHATプロジェクトのブログに掲載しました。

 

2030年のエイズ流行終結を目指し、責任の共有と世界の連帯を 第69回国連総会が呼びかけ

http://asajp.at.webry.info/201506/article_3.html

 

第69回国連総会HIV/エイズに関するコミットメント宣言、政治宣言の実施状況事務総長報告書 サマリー

http://asajp.at.webry.info/201506/article_4.html

 

2015年は国連ミレニアム開発目標MDGs)の最終年であり、翌年からは新たな開発分野の目標として、持続可能な開発目標(SDGs)を策定すべく、いま準備が進められている時期ですね。そのバスに乗り遅れてはならじ、ということもあるのでしょうか、エイズ対策分野ではUNAIDSが2030年までのエイズ流行終結というかなりハッタリをかました目標を掲げています。実は逃げ道として「公衆衛生の脅威としての」という前提条件が付いているので、30年後に流行がまだ続いていても(続いていると思うけれど)、「公衆衛生の脅威としてのエイズ流行終結」に向けてよくがんばったよと言える余地は残している。そんな印象も受けます。侮れませんね国連は・・・。

 まあ、それは先の話として、今回の事務総長報告も「われわれはよくがんばってきた。その成果は大いに評価した上でなお、まだまだエイズの流行は続いている。2030年の流行終結という次の目標に向けて、いまこそ一段と対策の強化をはからなければならない」という内容です。各国代表も「そうだ、そうだ」と言っているようです。総会で演説するときだけ重要性を強調し、でも実は「エイズはもういいだろう」と思っているようなことはないでしょうね・・・と、そこまで疑心暗鬼にならずに、国際社会の意欲を信じたいと思います。