【鎌倉海びより】97 忘れ得ぬ日


 今朝もテレビを観ていたら、『まっさん』を中断して地震津波注意報の臨時ニュースが流されていました。「な~んだ、結局たいしたことはなかった」というのはあくまで結果論。海は素晴らしく、また恐ろしくもある。心構えを新たにするという意味でも、忘れない日があることは大切です。


【鎌倉海びより】97 忘れ得ぬ日
 http://www.sankeibiz.jp/express/news/150217/exg1502171100001-n1.htm

  3連休を増やす目的で月曜日になっている祝日が年に何回かあるが、さすがに政府も建国記念の日はマンデーでハッピーというわけにはいかなかったようだ。

 今年の2月11日は水曜日だった。2日前の月曜だったら寒さに震え上がっていたところだろう。建国記念の日の鎌倉は温暖な好天に恵まれ、春遠からじと思わせる日和だった。波もそれなりで、サーファーの皆さんには絶好の休日ですね=写真。

 

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 1カ月後の3月11日もやはり水曜日。東日本大震災から4周年を迎える。東北の被災地のような大きな被害は受けなかったものの、鎌倉の海岸もあの3・11以後の1カ月近くはほとんど訪れる人もなかった。

 私ごとで恐縮だが、海辺近くに住んでいながら由比ガ浜や材木座の海岸を散歩しようという気にもなれないほど心が沈み込んでしまったことをいまも思い出す。計画停電で真っ暗な夜も経験した。

 4年後のいまは、休日の海岸も小町通りのにぎわいも、そんなことがあったのだろうかと想像することすら困難なほど復活している。むしろ、以前よりにぎやかになっているかもしれない。

 だからこそ、と改めて思う。あの心細さを忘れてはいけない。穏やかな海が一転して大きな脅威になることもある。そのリスクも忘れてはいけない。電気もガスも使えず、寒さに震えながら布団をかぶっていた夜も忘れてはいけない。

 震災の被災地はいまも復興途上にあり、多くの苦労と困難を抱えて日々の闘いを続けているたくさんの人たちがいる。鎌倉はそのことを忘れてはいない。東日本大震災から1カ月後の4月11日、鶴岡八幡宮では神道、仏教、キリスト教の3宗教合同で追悼・復興祈願祭が行われた。その祈りは今も引き継がれている。