厚生労働省のエイズ動向委員会が29日、国内における今年第2四半期(3月31日~6月29日)の新規HIV感染者・エイズ患者報告数を発表しました。
新規HIV感染者 276件(前回報告229件、前年同時期294件)
エイズ患者報告 120件(前回報告 89件、前年同時期146件)
合計 396件(前回報告318件、前年同時期440件)
ということで、合計数で見ると、前回報告よりは増え、前年同時期よりはかなり少なくなっています。
今年上半期ということで昨年の上半期と比較してみましょう。
新規HIV感染者 519件(前年上半期 521件)
エイズ患者報告 209件(前年上半期 253件)
合計 728件(前年上半期 774件)
新規HIV感染者報告はほぼ横ばい、エイズ患者報告は減少となっています。感染者報告と患者報告の合計では、昨年よりやや減少気味ではあるけれど、ここ数年と同じように年間1500件前後のペースで報告が続いています。この結果をどう見るか。正直言って私には分かりません・・・ということで、委員長コメントの《まとめ》の部分を紹介しておきましょう。
1.前回に比し、新規HIV感染者報告数、新規AIDS患者報告数はともに増加した。
2.新規HIV感染者は20~30代、新規AIDS患者は30~40代で報告数が多いが、いずれも10~70代までの幅広い年齢層において報告が認められた。性別・年齢を問わず、誰もがHIVに感染する可能性があるので、適切な予防策により感染を予防することが可能であり、また重要である。
3.前回及び前年同時期に比し、保健所等におけるHIV抗体検査件数、相談件数ともに増加した。
4.早期発見は個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、今後も保健所等の無料・匿名HIV抗体検査および相談を積極的に利用していただきたい。
さらにざくっとまとめて言えば、今回はとくに注目すべき指摘はありません。あまり目立たない中間報告ですが、だからこそ今年の世界エイズデー国内啓発キャンペーンのテーマを改めて示しておきたい。
AIDS IS NOT OVER ~まだ終わっていない~
本当にそうだなあとつくづく思います。29日の動向委員会報告の詳細はAPI-Netで御覧下さい。
http://api-net.jfap.or.jp/status/index.html