4312 【鎌倉海びより】81 マナー向上 試練の夏

 

 鎌倉夏の陣。まずは台風の試練を迎え撃つことになりました。ここはひとつ、安全重視で行きましょう。本日のSANKEI EXPRESS紙に掲載された連載コラムです。

 

【鎌倉海びより】81 マナー向上 試練の夏
http://www.sankeibiz.jp/express/news/140708/exg1407080950001-n1.htm

 本格的な夏にはまだ少し早いが、由比ガ浜では(7月)1日午前、鎌倉市内の3海水浴場合同の海開き式が開かれた。午前10時過ぎ、式典が始まりますよという前打ちの花火がパンパンと威勢のいい音を響かせる。

 そういえば小学生の頃、運動会の朝には花火があがった。半世紀も前の話だ。

 そうか鎌倉ではいまも花火があがりますか。このレトロなワクワク感は意外に魅力的だ。歳をとったかな、やっぱり。

 鎌倉の海開きは毎年、海の家の組合が主催する神事の部分と市が主催する式典の2部構成になる。実質的にはひとつながりのようにも思えるが、政教分離ということでしょうね。海の伸びやかさに比べると、人の世はやや窮屈だ。

  

 その神事。鶴岡八幡宮禰宜(ねぎ)さんが海の安全を祈願し、巫女(みこ)さんが浦安の舞を奉納する=写真。「波穏やかで安泰な日本を」と祈る舞だ。鎌倉の海水浴場は昨年、海の家のクラブ化や風紀の乱れが大きな問題となり、その対応に追われた。

 市主催の式典にかわり、挨拶に立った松尾崇(たかし)市長(40)が「さまざまな議論を経てマナー向上に関する条例ができました」と報告した。お隣の逗子では市が音楽まで禁止する条例を定めている。鎌倉の場合は、条例によるマナー向上の呼びかけと海の家の組合の自主規制ルールの組み合わせで臨む。排除よりも協力に重きを置く対応だ。

 警備員が常時巡回し、警察官立ち寄り所も設置するなど治安確保策をとる。キッズ&ファミリービーチのエリアを設定する。夜8時半以降は波音タイムとし、静かな環境を確保するといった内容だ。「自分だけ楽しめばいいということでなく、子供からお年寄りまで、一緒に楽しめる海水浴場にしたい。試される年です」と市長は強調した。試練の夏が始まる。