4260 鳥インフルエンザ 業者の協力で対策万全に

 

 本日付の産経新聞の主張(社説)です。他の新聞はあまり社説で取り上げなかったようですね。少し様子を見たのか。いずれ出てくるでしょう。


鳥インフルエンザ 業者の協力で対策万全に
 
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140415/dst14041503090001-n1.htm

 熊本県多良木町の養鶏場で鶏が大量死し、H5型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。国内の集団感染事例は平成23年以来3年ぶりとなる。

 熊本県はこの養鶏場を含む2カ所の養鶏場の鶏11万2千羽の殺処分や半径10キロ以内の養鶏場からの卵と鶏の出荷禁止などの措置を取った。迅速な初動対応は評価したい。

 感染経路としては、北へ帰る渡り鳥からの感染の可能性が指摘されている。冬の間、南方で過ごした渡り鳥がシベリアへの帰途、日本国内を経由する時期にあたるからだ。韓国では今年1月からH5型ウイルスによる家禽(かきん)の大量死が続いており、そのウイルスを野鳥が運んできた可能性もある。

 鶏は高病原性H5型ウイルスに感染すると次々に死ぬが、野生のカモなどは元気なことが多い。この点が対策の難しいところだ。

 世界的に見ると、H5型のひとつH5N1ウイルスは鳥の間だけでなく、少数だが、鳥から人への感染も報告されている。世界保健機関(WHO)によると、2003年以降これまでに世界で664件の人への感染例が報告され、391人が死亡しているという。

 いまのところ人から人へ次々に感染して新型インフルエンザの流行を巻き起こすようなウイルスではないが、鳥から人への感染、あるいは鳥から豚などの家畜を介した人への感染が重なると、ウイルスが人同士で感染していくタイプに変化するおそれもある。

 一羽でも感染が確認されると養鶏場全体の鶏の殺処分に踏み切る対策が世界の標準になっているのも、新型インフルエンザウイルス出現の機会を極力、減らしていくためだ。対策には養鶏の現場の協力が不可欠である。

 渡り鳥に定着したウイルスを完全に閉め出すことは難しいが、金網の破れなど野鳥が入り込む隙をなくすための再点検は、熊本県だけでなく全国の養鶏場で進めてほしい。また、不利益を恐れ、家禽死の報告を控えるといったことがないよう業界には求めたい。

 野鳥、家禽を問わず、死んだ鳥は素手でさわらないといった一般的な注意も大切だ。一方で、過剰に社会的な不安を増幅させ、感染報告を犯罪や非難の対象であるかのように扱うことは報告を遅らせる原因にもなる。情報の伝え方にも注意していきたい。