4196 【鎌倉海びより】61 海水浴場 ひと夏の苦闘

 昨日は台風18 号が過ぎていったあとも、鎌倉の海は大荒れでしたね。夏の風物詩ともいえる滑川河口の木橋も大波に洗われ崩壊してしまいました。それなのに夕焼けの空はあ まりにも美しく、いまさら海水浴場でもなかろうという気分にも襲われそうですが、ここはひとつ、この夏の海を振り返ってみたい。本日のSANKEI EXPRESSに掲載されたコラム【鎌倉海びより】の61回目です。とても短いコラム1回分ではおさまりませんね。あれこれ考えることも多く、ちょっと長くなるかもしれません。

 

 


【鎌倉海びより】61 海水浴場 ひと夏の苦闘
http://www.sankeibiz.jp/express/news/130917/exg1309171014001-n1.htm

 

 2020年夏季五輪の東京開催が決まった9月8日は鎌倉の海水浴シーズンの最終日でもあった。近隣の逗子や江ノ島は9月1日で閉幕していたが、鎌倉市内の由比ガ浜、材木座、腰越3海水浴場は今年、日程を1週間後ろにずらしていたからだ。

 

 東京五輪の開催決定とこの夏の海水浴客の人出にはもちろん、直接の関係はない。それでも雨模様の朝の砂浜に出ると、世の中の関心はもう別の場所に移ったのだなあといった少々、感傷的な気分になる。

 

 秋が来て、砂浜が落ち着きを取り戻すのはうれしいけれど、どこか寂しくもある…などと書くと、近隣の方から、今年はそれどころじゃなかったぞとおしかりを受けるかもしれない。

 

 海水浴場を管轄する鎌倉市観光商工課のサイトには《多く方のご協力のもと無事故で62日間の開設期間を終えることができました》というお知らせが載っている。

 

 由比ガ浜海水浴場の公式フェイスブックには《とても長い夏でした! 由比ガ浜を愛してくれる皆様に感謝申し上げます》と書かれていた。今年ほど、無事故でひと夏を乗り切り、ほっとした年はないだろう。

 

  

 

 砂浜を歩いていると、海の家ごとに「タトゥー・刺青(いれずみ)の露出禁止」の看板が出されていることに気が付く=写真。7月20日の土曜日から掲示されているという。どうしてそんな看板が必要だったのか。

 

 話は1週間前にさかのぼる。海の日の7月15日、鎌倉の海水浴場開設130年の記念式典が由比ガ浜で開かれた。実はその前日の14日に逗子で海水浴場にからんだ殺人事件が発生したことから、由比ガ浜の海の家の組合や鎌倉市観光商工課の担当者らが式典後、「鎌倉は大丈夫か」ということで緊急会合を開いている。苦闘のひと夏は、そこから始まった…。