4186 ビル壁面の広告デザイン募集

 HIV治療薬に特化した製薬メーカー、ヴィーブヘルスケアが東京・新宿2丁目 のビルに壁面広告を掲載するため、そのデザインを公募しています。HIV感染症HIV検査について知ってもらうための広告で、サイズは幅4.8メート ル、高さ2.4メートル。かなり巨大ですね。

 

 新宿2丁目の中心にある交差点の角の7階建てのビルにインクジェットシート直 張りという方法で掲載されるということで、かなり目立ちそうです。それだけに印象に残るデザインだったら素晴らしいと思う半面、ひどいメッセージが伝えら れるようなものになったらもう、目も当てられません。ただでさえ、HIV/エイズ分野はコントラバーシャルな(つまり、人によってかなり意見が異なり、それだけ論争が起きやすい)課題をどっさり抱えているので、その選択は決定のプロセスも含めて、非常に重要です。

 

 募集の詳細は・・・なかなか見つからなかったのですが、審査員の一人でもある著名なマンガ作家、歌川たいじさんの「歌川たいじ商店」というウエブサイトに紹介されていました。歌川さん、すいません、ちょっと紹介させていただきます。悪しからず。
http://www.utagawa.net/pg180.html

 

 《現在では、HIV に感染していても、検査によって早く気づくことができれば、治療によって元気に毎日を送ることができます。しかし、感染に気づかないままでいると、エイズを発症するリスクがあることは変わりありません。

 HIV 陽性であることを周囲に言えない人も多く、HIV を“自分の問題”として感じる機会は、実際には少ないかもしれません。また、HIV に対する過度の恐怖イメージによって、もし陽性だった場合の生活が見えず、検査を先送りしている人もいます。

 そこで、今回公募する広告では、まず「HIV 陽性であっても、友人や恋人との関係が今までと変わらない」、「ゲイコミュニティに居場所がある」というメッセージを、新宿2 丁目という街で発信したいと考えています。その上で、「予防や治療についての知識を身につけよう」「早く検査を受けよう」という呼びかけに、つなげていけ たらと考えています》

 

 このメッセージはなかなか好感が持てます。早く早くと検査をせかすようなメッ セージに接すると、正直に言って、何かうさんくさそうな動機があるんじゃないのと疑りたくなってしまうこともあります。まず「HIV 陽性であっても、友人や恋人との関係が今までと変わらない」「ゲイコミュニティに居場所がある」というメッセージを重視する。このあたりは外せません。審 査員も歌川さんをはじめ、そうそうたるメンバーじゃないの。大いに期待できそうです。

 

 掲載期間は第1期が2014年1~6月、第2期が2014年7~12月。デザインにはそれぞれ以下の条件が付きます。

 

【第1 期】「Living Together」(HIV に感染している人もしていない人もみんなこの街で一緒に生きている)というメッセージを入れる。

【第2 期】HIV 検査啓発メッセージを日本語もしくは英語で入れる。

 

 デザインの募集期間は以下の通りです。
【第1 期分】2013 年9 月5 日(土)~10 月31 日(木)
【第2 期分】2014 年2 月1 日~2014 年3 月31 日(予定)

 

 おっと、第1期分はもう始まっていますね。どんな作品が寄せられるか、楽しみにしています。