嵐の前 束の間の秋 和辻邸

 振り返ってみれば、年の初めからずっと天候不順だった気がするけれど、それでもこの時期になると、街角に金木犀の甘い香りが漂ってくる。今日は不思議と言えば不思議、当たり前と言えば当たり前の秋の1日でした。
 青空が広がり、日が輝き、風は涼しく・・・。ただし、この小さい秋も1日限定。列島縦断の台風が接近し、明日からまた鎌倉も雨です。風も強くなりそうですね。気象情報をこまめにチェックし、安全確保に努めましょう。

 

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 写真は鎌倉市雪ノ下にある川喜田映画記念館の庭園部分です。たびたび紹介していますが、後ろに写っているのは旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)。『哲学者の故和辻哲郎氏が江戸後期の民家を東京都練馬区において居宅として使用していたものを、昭和36年に川喜多長政、かしこ夫妻がここに移築した』(鎌倉市川喜多映画記念館の公式サイトから)ということです。
 ふだんは外から見るだけですが、春と秋には一般公開されます。次の公開は10月6日(土)、7日(日)の2日間。詳細はこちらから。

www.kamakura-kawakita.org

 秋が戻っているといいですね。

 

2日目は中止に(初日は開催) 第8回AIDS文化フォーラムin京都

 台風24号が接近しています。進路予想を見ると、列島縦断コースをとり、この週末は各地で強い雨と風が予想されます。予定の変更や中止を余儀なくされるイベントも多いようですね。

 京都市上京区同志社大学新町キャンパス尋真館で929日(土)と30日(日)に開催される予定だった第8AIDS文化フォーラムin京都も、30日のプログラムは中止となりました。29日は予定通り開催されるということです。

 詳しくはAIDS文化フォーラムin京都の公式サイト、Face bookTwitterをご覧ください。

 『大型の台風24号が近畿地方に接近し、930日(日)には暴風域に入ることが確実な状態になりました。

従って、930日(日)のフォーラムは、中止することいたしました。

準備をされていた出演者・出展者の皆さま、楽しみにされていた皆さま、申し訳ありませんが、安全第一に考えた決定ですので、ご了解いただきますようお願いいたします。

なお、929日(土)は、予定どおり開催いたしますので、

ふるってご参加いただきますようお願いいたします』

 ( AIDS文化フォーラムin京都 - ホーム | Facebook から)

 

 

 

『結核とHIV 世界で最も多くの人の命を奪っているこの二つの感染症を終結に導く』 UNAIDS

9月は国連総会の新たな会期がスタートする月です。すでに世界の首脳が国連本部のあるニューヨークに集まっています。今年はこの機会を生かし、26日に結核対策を強化するためのハイレベル会合が開かれます。明日ですね。

HIV結核は相互に影響しあう二大感染症です。国連合同エイズ計画(UNAIDS)の公式サイトには924日付で「結核HIV」に関する特集記事が掲載されました。HIV/エイズ20世紀後半に登場し、世界に広がった新興感染症です。結核はもっとずっと古くからあり、UNAIDSの記事は『古代エジプトの時代から存在し、ツタンカーメン王も結核にかかっていた可能性があると考古学者は考えている』と指摘しています。それでもなかなか克服できません。感染症の流行がいったん広がると、それを抑え込むことがいかに困難であるか。その見本のような感染症でもあります。

背負っている歴史は異なりますが、この二つの感染症は相互に影響しあう拡大要因でもあります。

結核は世界で最も多くの人の命を奪っている感染症であり、HIV陽性者の最も大きな死亡原因でもある。エイズ関連の死者の3人に1人は結核で亡くなっているのだ。2017年には結核160万人が死亡し、そのうち30万人がHIV陽性者だった』

UNAIDSはこう指摘しています。

結核およびHIVの発見と治療、診断薬、ワクチン、多剤耐性結核を含む予防・治療薬への投資などに関し、HIV対策と結核対策が協力して取り組むことができれば、多くのブレイクスルーが可能になる』

 以下、特集記事の日本語仮訳です。

 

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結核HIV 世界で最も多くの人の命を奪っているこの二つの感染症終結に導く

    2018924日 UNAIDS Feature Story

 

www.unaids.org

 

 世界保健機関WHO)は最近、2018年世界結核報告書を発表した。結核HIVの分野でいくつか期待できる成果も示されてはいるものの、2030年までに2つの流行の終結を目指す観点からはむしろ寒々とした内容になっている。

 HIVの流行は比較的新しく、最初の症例報告は1980年代の初めだった。結核の方は流行が約4000年も前から続いている。古代エジプトの時代から存在し、ツタンカーメン王も結核にかかっていた可能性があると考古学者は考えている。

 結核に苦しんだり、結核で亡くなったりした歴史上の人物も多い。ジョン・キーツフレデリック・ショパン、シャアロッテとエミリーのブロンテ姉妹、ネルソン・マンデラフランツ・カフカらはその一部だ。20世紀の初めの結核治療は、スイスの高原にあるサナトリウムの屋外で一日中、寝ていること、冷たいシャワーをあびること、112種類の食事をとり、何リットルもの牛乳とワインを飲むこと、そして牛舎にいることなどだった。当時は牛舎の暖気と動物の尿から発するアンモニアガス、が感染した肺を癒すと考えられていた。

 結核の効果的な治療法が見つかったのは1940年代であり、その後もそれほど大きくは変わっていない。薬は現在も以前からのもので、副作用は強いが、極めて効果的で比較的安価でもある。しかし、治療のために結核患者を見つけ、確実に治療を続けられるという点に困難がある。とくにHIV陽性者の場合は緊急に対応しなければならない。

 世界保健機関2017年現在で、年間1000万人の活動性結核患者がいると推定している。その1000万人のうち約360万人、つまり36%は見逃されている人たちである。診断も、適切な治療も受けていない。HIV陽性者の場合、そのギャップはさらに大きく、49%が見逃されている。

 潜在性結核に感染しているHIV陽性者の場合、活動性結核を発症する可能性は約20倍も高くなる。そしてHIV陽性者が結核の治療をせずにいれば、急速に死を招くことになる。

 結核のスクリーニング検査を受けている結核患者は60%にも満たない。検査を受けていない人たちは、治療を開始することもできずに防げるはずの死を招いている。結核は世界で最も多くの人の命を奪っている感染症であり、HIV陽性者の最も大きな死亡原因でもある。エイズ関連の死者の3人に1人は結核で亡くなっているのだ。2017年には結核160万人が死亡し、そのうち30万人がHIV陽性者だった。

 結核およびHIVの発見と治療、診断薬、ワクチン、多剤耐性結核を含む予防・治療薬への投資などに関し、HIV対策と結核対策が協力して取り組むことができれば、多くのブレイクスルーが可能になる。

 だが、それには多くのことを約束し、その約束を実現するための投資を行い、行動する必要がある。

 結核患者の97%118の低・中所得国に集中しており、それらの国で有効な結核対策を進めるための必要額は2018年段階で年間104億ドルと推定されている。しかし、実際に確保できている金額は69億ドルにとどまり、35億ドルが不足していることになる。

 HIVに効果的に対応するには、2020年までに年間262億ドルの対策費が必要になるとUNAIDSは推定している。2017年に中・低所得国で利用できた資金は213億ドルだったので、約50億ドルが不足していることになる。この資金ギャップをなくさなければ、流行終結は現実のものとはならない。

 約17億人、つまり世界人口の23%が潜在性結核の状態にあり、そのうちの510%は活動性結核を発症する可能性がある。世界的な緊急対応が必要になっている。

 世界の指導者が米ニューヨークの国連本部に集まり、初の結核に関する国連ハイレベル会合が926日に開かれる。結核に焦点をあてるこの重要な1日は、結核HIVという最も多くの死者を出している2つの感染症の流行終結に向けて、世界が行動可能な野心的ターゲットを設定する機会となる。

 この機会を生かすことは、結核HIV16000人が亡くなっている現状に待ったをかけるだけでなく、新たな感染を防ぎ、世界がグローバルヘルスの改善に大きく前進し、貧困を減らし、持続可能な開発目標の達成に近づくことでもある。

 

 

An opportunity to end two of the world’s deadliest infectious diseases: TB and HIV

24 September 2018

 

The World Health Organization recently released its Global tuberculosis report 2018. Although it shows encouraging pockets of progress in responding to tuberculosis (TB) and HIV in some areas, it paints a rather bleak picture on ending the dual epidemics by 2030.

HIV is a relatively recent epidemic, having first been identified in the early 1980s; however, TB has been around for thousands of years. Archaeologists believe that TB affected the ancient Egyptians, with King Tutankhamun himself having possibly been affected.

Many famous people have fallen ill or died of TB over the years, including John Keats, Frédéric Chopin, Charlotte and Emily Brontë, Nelson Mandela and Franz Kafka, to name but a few. In the early twentieth century, supposed cures for TB included day-long bracing outdoor siestas in Swiss mountain sanitoriums, freezing cold showers and diets of up to 12 meals a day washed down with litres of milk and wine, and even staying in cowsheds, where the warmth and ammonia gases given off by the animals’ urine was supposedly a balm for infected lungs.

Effective medicinal treatment for TB became available in the mid-1940s and has changed little since. Today’s medicine, although toxic and antiquated, is incredibly effective and relatively cheap. However, finding people with TB to treat and ensuring that they stay on treatment poses problems and is particularly urgent for people living with HIV.

The World Health Organization estimates that in 2017 there were around 10 million people with active TB disease, 9% of whom were people living with HIV. Of the 10 million, approximately 3.6 million, or 36%, are “missing”, meaning that they may not have been diagnosed or properly treated. Among people living with HIV, the gap is wider, at 49%.

People living with HIV with latent TB are around 20 times more likely to develop active TB. Untreated TB is rapidly fatal among people living with HIV.

Fewer than 60% of TB patients are screened for TB, precluding treatment and resulting in preventable deaths. TB is the leading infectious killer globally and the leading killer of people living with HIV, accounting for one in every three AIDS-related deaths. In 2017, around 1.6 million people died of TB, including 300 000 people living with HIV.

Many breakthroughs can be achieved by improving collaboration between HIV and TB programmes to find and treat TB and HIV, including investing in diagnostics, vaccines and medicines, including preventive medicine and medicine to treat TB, including multidrug-resistant TB.

However, more commitment, investment and action are needed.

It is estimated that US$ 10.4 billion is required in 2018 for an effective response to TB in the 118 low- and middle-income countries that account for 97% of reported cases globally. The actual amount available in 2018 was US$ 6.9 billion—a shortfall of US$ 3.5 billion.

To respond effectively to HIV, UNAIDS estimates that US$ 26.2 billion will be required for the AIDS response in 2020. In 2017, US$ 21.3 billion was available in low- and middle-income countries—a shortfall of around US$ 5 billion. Only by filling the funding gaps will ending the epidemics start to become a reality.

With around 1.7 billion people, or 23% of the world’s population, infected with latent TB, of whom 5–10% have a chance of developing active TB disease, the world needs to take urgent action.

On 26 September, world leaders will come together at the United Nations in New York, United States of America, for the very first United Nations High-Level Meeting on Tuberculosis. As TB takes centre stage for one important day, the world has the opportunity to set some bold actionable targets to end two of the world’s leading infectious killers: TB and HIV.

To seize this opportunity would not only stop more than 6000 people dying every day from TB and HIV, but it would prevent new infections and bring the world a giant leap closer to improving global health, reducing poverty and achieving the Sustainable Development Goals.

 

「夫婦善哉か女夫饅頭か」One Side/No Side(17)

 夫婦で「めおと」、女夫でも「めおと」。だから何だ!? と突っ込まれると話が続かなくなってしまいますが、すなおに読めば夫婦を「めおと」と読ませるのはかなり難読漢字だったのではないか・・・。

 現代性教育研究ジャーナル8月号の連載コラム One Side/No Sideは「女夫饅頭」を取り上げました。
 

www.jase.faje.or.jp


 9月号の11ページに載っています。
 JR鎌倉駅東口の若宮大路を電話番号たところにあるお饅頭屋さんが閉店しました。古くから鎌倉に住んでいる方に聞いたら、どうも後継者がいなかったらしいよ・・・ということです。
 世の中はいよいよ女夫饅頭の時代か・・・とまでは言いませんが、そこにあるのが当然だったものが消えていく。それはやはり寂しい。 

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閉店後しばらくの間は残っていた提灯。いまはもう外されています。

2018年世界エイズデーのテーマで、HIV感染の有無を知るよう呼びかけ UNAIDS エイズと社会ウェブ版352

 121日の世界エイズデーはすっかり世界に定着していますが、制定が決められたのは19881月のエイズ予防対策世界保健大臣サミットでした。大急ぎで準備をしてその年の121日が第1回となりました。つまり今年は30周年ということになります。その節目の年のテーマが国連合同エイズ計画(UNAIDS)の公式サイトで紹介されています。

Know your status』(感染の有無を知ろう)

 ん? と思われた方もいるかもしれません。テーマは『UPDATE! エイズ治療のこと HIV検査のこと』じゃなかったの? おそらく意識高い系の方なのだと思います。整理しておきましょう。

 

・『UPDATE! エイズ治療のこと HIV検査のこと』

厚労省と公益財団法人エイズ予防財団が主唱する2018世界エイズデー国内啓発キャンペーンのテーマです。

・『Know your status』(感染の有無を知ろう)

 UNAIDSによる世界に向けた2018世界エイズデーのテーマです。

 

 東京都もおそらく、新しいキャンペーンテーマを近く公表するのではないかと思います。ま、それは公表時点でまた紹介するとして、世界と日本の2つのテーマを並べてみると、共通しているのは、HIV治療の大きな進歩により、HIV検査を受けることがますます大切になっていますよというメッセージです。UNAIDSのフィーチャーストーリーには『自らの感染を知らない人たちに働きかけ、その人たちが質の高いケアと予防のサービスにつながれるようにする必要があります』と書かれています。でも、現実は・・・というと、「道はまだ遠い」と言わざるを得ません。どうしてなのか。

 『残念なことにHIV検査を阻む障壁は数多く残っています。スティグマと差別はいまも人びとをHIV検査から遠ざけています。検査における個人情報の保護はいまなお重要な課題なのです。体調を崩し、症状が出てから初めて検査を受ける人がまだたくさんいます』

 こういう文章を読むと、流行の拡大状況は国や地域によって大きく異なるとはいえ、抱えている課題は国内も世界も驚くほど共通しているのだなと改めて感じます。

 国内キャンペーンのテーマについてはコミュニティアクション公式サイトのキャンペーンテーマのページをご覧ください。 

 http://www.ca-aids.jp/theme/

 UNAIDSのテーマについては日本語仮訳を以下に掲載しておきます。

 どちらも短い文章なので、あわせてお読みいただければ幸いです。

 

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www.unaids.org

 

2018世界エイズデーのテーマは、誰もがHIV感染の有無を知るよう呼びかけ

   2018917日 UNAIDS Feature story

 

 30周年の節目となる今年の世界エイズデーのテーマは「Know your status(感染の有無を知ろう)」です。

 1988年以来、エイズ対策は大きな成果を上げてきました。現在ではHIV陽性者4人中3人が自らの感染を知っています。それでもまだ、最新のUNAIDS報告書が示しているように「道は遠い」と言わなければなりません。自らの感染を知らない人たちに働きかけ、その人たちが質の高いケアと予防のサービスにつながれるようにする必要があります。

 治療を拡大し、すべてのHIV陽性者が健康で生産的な生活を送れるようにするにはHIV検査が不可欠です。90-90-90ターゲットを達成し、HIV予防の方法を選択して自分自身と愛する人を共に守れるようにすることも大切です。

 残念なことにHIV検査を阻む障壁は数多く残っています。スティグマと差別はいまなお人びとをHIV検査から遠ざけています。検査における個人情報の保護はいまも重要な課題なのです。体調を崩し、症状が出てから初めて検査を受ける人がまだたくさんいます。

 検査アクセスを拡大するために、新しい方法がたくさんあることはいいニュースです。自己検査、コミュニティベースの検査、複数の病気の検査が人々に自らのHIV感染の有無を知る助けになっています

 HIV検査プログラムを拡大しなければなりません。そのためには、政治の意思と投資が必要です。革新的なHIV検査のアプローチも必要になります。

 今年の世界エイズデーでは、HIV感染の有無を知ることの重要性に理解を広げ、HIV検査を妨げている障壁を取り除くためにともに行動しましょう。

 

世界エイズデーについて

 世界エイズデー1988年のエイズ予防対策世界保健大臣サミットで制定が決まりました。以後毎年、国連機関や各国政府、市民社会エイズに関連するその年々のテーマのキャンペーンに参加しています。

 

 

 

 

World AIDS Day 2018 theme encourages everyone to know their HIV status

 

17 September 2018

This year’s theme for World AIDS Day, which will be marking its 30th anniversary on 1 December, will be “Know your status”.

Significant progress has been made in the AIDS response since 1988, and today three in four people living with HIV know their status. But we still have miles to go, as the latest UNAIDS report shows, and that includes reaching people living with HIV who do not know their status and ensuring that they are linked to quality care and prevention services.

HIV testing is essential for expanding treatment and ensuring that all people living with HIV can lead healthy and productive lives. It is also crucial to achieving the 90–90–90 targets and empowering people to make choices about HIV prevention so they can protect themselves and their loved ones.

Unfortunately, many barriers to HIV testing remain. Stigma and discrimination still deters people from taking an HIV test. Access to confidential HIV testing is still an issue of concern. Many people still only get tested after becoming ill and symptomatic.

The good news is that there are many new ways of expanding access to HIV testing. Self-testing, community-based testing and multidisease testing are all helping people to know their HIV status.

HIV testing programmes must be expanded. For this, we need political will and investment, as well as novel and innovative approaches to HIV testing that are fully leveraged and taken to scale.

Join us this World AIDS Day in raising awareness about the importance of knowing one’s status and calling for the removal of all barriers to accessing HIV testing.

 

About World AIDS Day

World AIDS Day originated at the 1988 World Summit of Ministers of Health on Programmes for AIDS Prevention. Since then, every year United Nations agencies, governments and civil society join together to campaign around specific themes related to AIDS.

 

寺も町も秋雨前線停滞中

 鎌倉もすっかり秋の長雨です。なかなかやみませんね。大町四つ角の大くにまで、おはぎを買いに行きがてら、少しだけ雨の散策。

 

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 厄除けで有名な大町の八雲神社NHKのドラマ『ツバキ文具店』にも登場していましたね。

 

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 静かな路地を少し北に上がると妙本寺。もうすぐ秋の彼岸会法要です。ここまで来たら小町通まで足を延ばしちゃおう。

 

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 雨の鎌倉。それもまた良しということでしょうか。傘の列でした。

ロシアが2019年に抗レトロウイルス治療のカバー率75%達成を約束

ロシアの90-90-90ターゲット進捗状況を報じる国連合同エイズ計画(UNAIDS)のFeature Storyの日本語仮訳です。現状は81-45-75という推計です。キーポピュレーションに対する強権的な抑圧政策が続いてきたことを考えると、この推計もどこまで正確か怪しいものですが、仮にその通りだったとしても、検出限界以下の人はロシア全体のHIV陽性者の27%程度ということになります。検査で陽性と分かっても治療につながる人は半数以下です。それはどうしてなのかということを考えずに90-90-90という数字だけが自己目的化するとしたら、あまりいい成果にはつながらないでしょうね。対策に力を入れるためにどんどん検査を進めようといったことになると、ますます事態は悪化するかもしれません。

 

 

ロシアが2019年に抗レトロウイルス治療のカバー率75%達成を約束

 2018912日 UNAIDS Feature story

www.unaids.org

 ロシアのベロニカ・スクボルツォワ保健相は、2016年のエイズ終結に関する国連総会ハイレベル会合で合意した目標の達成を繰り返し約束した。

 スクボルツォワ保健相は201894日、ロシアのサランスクで開かれた第28独立国家共同体保健会議で「すべてのHIV陽性者に適切な治療へのアクセスを直ちに提供できるようにしなければなりません。保健省は2019年までにHIV陽性と分かった人の75%が治療を受けられるようにし、さらに2020年には90%にする計画を立てています」と語った。

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 ロシアは2018年に90-90-90ターゲットに向けた自国の進捗状況を初めて報告した。2017年現在、ロシアのHIV陽性者のうち自らの感染を知っている人は81%で、このうち治療を受けている人は45%、さらにウイルス量が抑えられている人は治療を受けている人の75%だった。

 地方レベルで戦略的に情報を集め、判断の基本となるエビデンスを確保するために、ロシア保健省は国内10地域の代表が出席するHIV推計ワークショップを開催した。各地域の専門家はHIV推計のモデリングに関する研修を受け、それがHIV陽性者数と90-90-90ターゲットに関し地域ごとにより詳しい正確な推計を得る助けになるだろう。

 東欧・中央アジア地域は世界で唯一、新規HIV陽性者とエイズ関連の死者がいまなお増加を続けている。2017年の年間新規HIV感染者数は13万人に達している。90-90-90カスケードに関しては2017年末現在で、73%50%72%と推計されている。

 「ロシア保健相の発言は、2020年の90-90-90達成に向けて高速対応を加速するためにロシア政府がとってきた一連の行動をさらに一歩進める重要なものです」とビナイ・P・サルダーニャ東欧・中央アジア地域支援チーム部長は語っている。

 

 

Feature story

Russian Federation commits to reach 75% antiretroviral therapy coverage in 2019

12 September 2018

The Russian Minister of Health, Veronika Skvortsova, has reiterated the commitment to reach the targets agreed at the 2016 United Nations General Assembly High-Level Meeting on Ending AIDS.

We have to provide every person living with HIV with quick access to the correct treatment. The Ministry of Health plans to increase the coverage of people living with HIV who know their status on antiretroviral therapy to 75% by 2019, and by 2020 the figure should reach 90%,” said Ms Skvortsova at the 28th meeting of the Health Council of the Commonwealth of Independent States, held in Saransk, Russian Federation, on 4 September 2018.

In 2018, the Russian Federation reported for the first time on national progress towards the 90–90–90 targets—in 2017, 81% of people living with HIV in the Russian Federation knew their status, 45% who knew their status were on treatment and 75% who were on treatment were virally suppressed.

In order to improve strategic information and build evidence for decision-making at the local level, the Russian Ministry of Health recently conducted a workshop on HIV estimates for representatives of 10 Russian regions. Regional experts were trained on modelling HIV estimates, which will help to ensure a more complete picture of the number of people living with HIV and of the 90–90–90 targets at the subnational level.

Eastern Europe and central Asia is the only region in which the numbers of new HIV infections and AIDS-related death are still on the rise. At the end of 2017, the number of new HIV infections in the region reached 130 000. At the end of 2017, it was estimated that the 90–90–90 cascade in the region was 73%, 50% and 72%.

 The Russian Minister of Health’s statement is another important step in a series of consistent actions undertaken by the Government of the Russian Federation to accelerate the country’s Fast-Track approach to reach 90–90–90 by 2020,” said Vinay P. Saldanha, Director of the Regional Support Team for Eastern Europe and Central Asia.