大丈夫、妖怪はめったに出ません 鎌倉年の瀬散策

 年の瀬寒波で今日も寒いぞ!と身構えつつ外出・・・あれ? 意外にあったかいね。風がないせいかな。民家の庭先でも、青空をバックに夏ミカンが光り輝いています。

 

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 ということで、老人性散策にはまずまずの日より。あわただしい街の様子をしり目に、鎌倉駅前から少しぶらぶらしましょう。

 

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 こちらは正月三が日の初えびすと10日の本えびすに向けて、提灯の準備も整った本覚寺境内。商売繁盛、頼んまっせ。

 

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 妙本寺では門松の脇に除夜の鐘がつけますというお知らせ看板。あ、そういえば妙本寺だけでなく、鎌倉にはけっこう除夜の鐘がつけるお寺がたくさんあります。いま紹介したばかりの本覚寺もそのひとつですね。どこへ行けばつけるのか。鎌倉観光協会の鎌倉INFOに案内が載っています。 

【鎌倉市内】年末年始の市内情報 | 鎌倉INFO | 鎌倉市観光協会

 妙本寺脇の路地を曲がって南へ少し歩くと、厄除けで有名な八雲神社です。地元感たっぷりといいますか。初詣には昇殿して参拝できます。

 

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 映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』では、町中に魑魅魍魎(ちみもうりょう)が出没している印象でしたが、もちろん現実の鎌倉は違います。めったに出てきません。私も鎌倉で暮らし始めてからかれこれ10年になりますが、実際に出くわしたのは、せいぜい2回か3回かな。いい奴も多いので安心しておいでください。

 

年間を通じて横ばい傾向 東京都の新規HIV感染者・エイズ患者報告

 

メルマガ「東京都エイズ通信」の第124号が発行されました。

archives.mag2.com  毎月発表されているHIV感染者・エイズ患者報告数の速報は以下の通りです。年間を通して横ばいの傾向でした。

    

平成2912日から平成291224日までの感染者報告数(東京都)

  ※( )は昨年同時期の報告数

HIV感染者           361件  (356件)

AIDS患者                96件   (95件)

合計                  457件  (451件)

 HIV感染者数、AIDS患者数ともに昨年同時期と同程度になっています。

   ◇

 ・・・ということでありまして、集計は24日までとなっているので、今年もあと少し残っています。参考までに東京都のエイズニューズレターNo.165号に掲載されている昨年(2016年)の年報を見ると、年間の報告数はHIV感染者367件、エイズ患者97件で、合計464件でした。今年はそれをわずかに上回る程度になりそうです。 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/kansen/aids/newsletter.files/NL_No.165.pdf

 

 何回も書いてきましたが、この横ばい状態をどう見るのか。ここから減少の傾向に向かうのか、それとも反転して再増加の軌道をたどるのか。私には分かりませんが、漠然とした感触としては厳しい見方をしておくべきではないかと感じています。T as Pの効果には期待をかけたいと思うものの、その基盤となるべき社会的な理解はあまり広がらず、むしろ関心を持たれなくなった分だけ、いままで積み上げてきたものが崩されていったり、維持困難になっていったりしているような印象があるからです。嫌味な言い方で恐縮ですが、それを待望しているお医者さんもいるだろうし・・・。

 

キャンペーン資料日本語版をUNAIDSが正式採用 エイズと社会ウェブ版319

ご報告が少々、遅れてしまいましたが、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の世界エイズデーに向けたキャンペーンのブローシュア日本語版がUNAIDS公式サイトに紹介されています。

https://trello.com/c/6T0IQYXd/3-world-aids-day-brochure-in-english-french-japanese-russian-and-spanish

 添付ファイルのJapneseのところをクリックしてください。PDF版をダウンロードできます。
 実は日本語版はAPI-Netに掲載されたものをUNAIDSの日本人職員の方が見つけ、UNAIDSとしても正式に採用したいというご連絡をいただきました。
 日本語版原稿の作成に関しては、HIV/エイズ対策の国際的潮流の把握を目的に、不肖・私が下訳を担当し、公益財団法人エイズ予防財団の木村哲理事長、白阪琢磨代表理事のお二人の詳細な監修を経て完訳にこぎつけた経緯があります。また、API-NetへのPDF日本語版の編集と掲載については、IT技術に極端に疎い私にかわって、予防財団の事務局の皆さんにご担当いただきました。
 UNAIDSから最初に連絡をいただいた時には、ひょっとして「勝手に訳しては困りますよ」とおしかりを受けるのでは・・・などとも思い、あせったのですが、むしろ積極的なご評価をいただき、感謝感激であります。
 今年の世界エイズデー(12月1日)はすでに過ぎてしまい、今日はもうクリスマスイブですね。ただし、キャンペーンの期間が終わっても、Right to healthのメッセージは生きています。ぜひ、UNAIDS公式サイト掲載の日本語版をご覧ください。

 

『デジタルとソーシャルメディアの2018年トレンドをさぐる』 米サイト HIV.govから

 米国政府のHIV啓発サイト HIV.govのブログ欄に『Digital and Social Media Trends to Watch in 2018』というタイトルの投稿がありました。日本語に訳すと『デジタルとソーシャルメディアの2018年トレンドをさぐる』といった感じでしょうか。
 投稿者はHIV.govチームとなっています。英文投稿はこちらで見ることができます。
www.hiv.gov

 

  私はデジタル技術にもソーシャルメディアにもまったく疎いので、何を言っているんだか分からず、英文をそのままカタカナ表記にして誤魔化しているところもかなりありますが、一応、日本語仮訳を試みました。ほぼ全文に近い要旨を以下に紹介します。
 下手に解説などをつけると、たちまち「あんたに言われたくないよ」と突っ込みが入りそうなので自粛しておきますが、分からないなりに、そういうことですかと思う部分もけっこうあります。

       ◇

 

『デジタルとソーシャルメディアの2018年トレンドをさぐる』(HIV.govから)

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 新たなトレンドに対し、HIV.govチームは次のような視点で分析しています。

 ・この新たな技術/ツール/トレンドは視聴者につながるうえで役立つか。

 ・この新たな技術/ツール/トレンドは戦略的ゴールの達成に役立つか。

 2018年の計画策定にあたり、HIV.govチームはメンバーによる2018年注目ソーシャルメディア・トレンドの予測投票を行いました。以下がその概略です。

 

人工知能(AI)の利用はさらに広がる。

・小スクリーン向けにデザインしたビデオがさらに増える。

・チャットボットは単にツールであるだけでなく、マーケティング経路にもなる。

ソーシャルメディアはブランドコンテンツとパーソナルコンテンツに分かれる傾向が続く。

・個別化(personalized)コンテンツが自動提示(automated)コンテンツにとって代わる。

・ネットで影響力を持つ人(online influencer)の力がさらに大きくなる。

・音声技術が定着する。

・保健通信機能(health communicators)が行動変容に向けた「マイクロモーメント(意図の即時実現)」(micro moments)に活用される。 

 

人工知能(AI)の利用はさらに広がる。

 サイエンスフィクションの話ではありません。AIのデジタルコミュニケーションは、あなたが考える以上に普及しているでしょう。マーケッターの53%が過去1年にAIを使ったと答えています。AIツールは、新たな販路を試す、各ユーザーの個別化したウェッブやデジタルコンテンツに合わせる、利用者のより賢明な判断を助けるといったことを通し、データとメトリックスを利用して、デジタルコミュニケーションの拡大をはかることができるのです。今年初めにロサンゼルスで試験運用を開始したAIツール「HEALER」のように、AIは視聴者を特定し、対象をしぼった情報を伝えることもできます。10代の若者にHIV情報を提供し、HIVや他の性感染症の検査を勧めるツールです。

 

小スクリーン向けにデザインしたビデオがさらに増える。

 AIと同じように、ビデオも新しく登場するものではありませんが、2018年にはビデオ消費が25%増え、ユーザーはデスクトップよりもモバイルのスマートフォンで見る傾向が続くと専門家は予想しています。各組織はビデオコンテンツとして何を優先させるかを考えることになるでしょう。モバイルに適したビデオの編集は当然です。もっと知りたい?この前のブログ投稿でビデオについて取り上げています。

 

チャットボットは単にツールであるだけでなく、マーケティング経路にもなる。

 2017年末にはチャットボッツが追加機能ではなく、マーケティング経路に変化していることが見て取れました。チャットボット・メッセンジャーは、個別化したコンテンツを送れるという意味でほぼミニメールになっています。2018年には、伝えたい人に伝えたいメッセージを届けられるようになり、ソーシャルメディアよりもユーザーは多くなるでしょう。メッセージングappで送るコンテンツのオープン率は平均80%になります。それぞれの人が最も必要とする健康情報をそれぞれの人にあわせて送ることが、チャットボッツサービスを使えば考えられるのです。

 

ソーシャルメディアがブランドコンテンツとパーソナルコンテンツに分かれる動きが続く。

 2017年にはフェイスブックが数カ国でデュアル(二重)ニュースの試験配信を始めました。ニュース配信を友達発のコンテンツとブランドやパブリッシャーからのコンテンツに分けたのです。同じようにSnapchatも最近、友達によるコンテンツとパブリッシャーもしくはインフルエンサーが作ったコンテンツを切り離すデザイン変更を行いました。このトレンドは他のソーシャルメディア・プラットフォームにも広がると予想するソーシャルメディア専門家もいます。

 

さよなら自動提示(automated)コンテンツ、ようこそ個別化(personalized)コンテンツ。

 2017年には大量の視聴者を対象にするコンテンツは急速に縮小し、個別化コンテンツのエンゲージメント率が上昇するのを目撃してきました。視聴層はユニークであり、2018年もブランドや組織に対し、それぞれの個別化されたニーズに応えることを求めるでしょう。個別化コンテンツの作成には、まず視聴者について知る必要があります。情報を集めたら、保健関係の情報やサービスについてもeメールのようにそれぞれの視聴者に合わせたかたちで、個別のコンテンツ作成に取りかかれるようになります。こうしたトレンドの中で、各組織は全体のコンテンツ量を減らし、個別化して質の高いコンテンツの作成に力を入れるようになるかもしれません。

 

ネットで影響力を持つ人(online influencer)の力がさらに大きくなる。

 2018年には視聴者は公式のブランドサイトから離れ、オンラインインフルエンサーを含むより「本物」の情報源を求めるでしょう。最近の研究によると、何を購入するかを判断する際にインフルエンサーの勧告に頼る視聴者は49%に達しています。一方で、インフルエンサーをフォローする人が増えれば、エンゲージメントは下がっていきます。エンゲージメントを最大化するにはマイクロ(中小)インフルエンサー(平均フォロワー数1万~10万)との協力が理想だろうとマーケッターの多くが考えています。マイクロインフルエンサーは、プロジェクトに多額のマーケッティング予算がつかなくても喜んで協力することが多く、保健分野の調査研究には極めて価値のあるパートナーになる可能性があるのです。マイクロインフルエンサーとの協力に興味がおありなら、コミュニティの中にどんなマイクロインフルエンサーがいるのか、視聴者評価を行ってみましょう。

 

「ようこそAlexa」。音声技術が定着する。

 スマートフォン、コンピューター、タブレット、そしてスマートスピーカーは、音声を使って動かすことができます。デジタル専門家は2020年までに全検索の50%が音声検索になると予測しています。どういうことになるのでしょうか。保健コンテンツを音声検索する場合の用語を書いたりタグ付けしたりして、声を出して言うにはどんな用語が使いやすいか、そして保健施設やHIV検査施設を検索するのにどんな単語やフレーズが使われるのかを考えてみてください。

 

保健通信機能(health communicators)が行動変容に向けた「意図の即時実現」(マイクロモーメント micro moments)に活用される。

 スマートフォンのおかげで、視聴者はインターネットにつながり、必要な時にすぐ検索し、情報を得て、購入することができるようになっています。視聴者がいつ、どのように、そしてなぜ、保健情報とサービスを検索するのかを理解すれば、2018年にはコンテンツのデザインとデジタル回路の活用によって、そのマイクロモーメントを利用できるようになります。音声技術(上記)と同じように、利用者がいつ、どのようにウェブサイトやソーシャルメディアHIVエイズに関する情報を探すのかを考え、マイクロモーメントを利用するのです。視聴者がどんなキーワードを使うのか。一日のうちのどんな時間帯にコンテンツを見るのか。チームとしてこうしたシナリオに沿って対応すれば、サイト上のキーワードやタグ付けの更新、ソーシャルメディアへの投稿を戦略的に行う時間の決定などが可能になります。

 

 コミュニケーターにとって新たなトレンドとツールが進歩するスピードについていくのは大変です。でも、HIV.govチームがそのお手伝いをします。

 ・デジタルツールでのブログ投稿を見逃さないように週間ニューズレターに登録してください。

 ・バーチャル・オフィスアワーの時間帯を予約していただければ、チームのメンバーがデジタルツールとソーシャルメディアに関する45分間のセッションにお呼びします。

 

「Tシャツじゃないんだから」では少々、要約が過ぎますが・・・differentiated care エイズと社会ウェブ版318

国際エイズ学会(IAS)が『differentiated service』のベストプラクティスの事例報告を募集しています。英文のままで恐縮ですが、IASの特設サイトも設けられているので、ご覧ください。提出締め切りは2018124日となっています。

http://www.differentiatedcare.org/Resources/RequestForDSDBestPracticeModels

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 う~ん? そもそも『differentiated』をどう訳したらいいのか。そこからして敷居が高い。何のこっちゃ分かりませんという印象です。特設サイトのトップページの下の方に短くまとめた用語説明があるので、日本語仮訳を付けて紹介しておきましょう。

 

『だれにでも同じHIVサービスを提供できるようにするフリーサイズ(画一型)モデルが、世界の3700万人のHIV陽性者全員に機能するなどということはあり得ません。対象に応じた(分化型)ケアは、カスケードの全般にわたり、HIVサービスを簡素化して提供できるようにすることで、サービスを受ける人それぞれのニーズに対応し、保健医療システムに過剰な負担をかけることなく迅速なサービス提供を可能にするクライアント本位のアプローチです。多くの国がサービス提供モデルの見直しを行い、提供の仕方を変える必要があることを認識するようになっています』

A one-size-fits-all model of HIV services does not work for all 37 million people living with HIV today. Differentiated care is a responsive, client-centred approach that simplifies and adapts HIV services across the cascade to better serve individual needs and reduce unnecessary burdens on the health system. More countries are revising their service delivery models and recognizing that it is time to deliver differently.

 

英文冒頭の『one-size-fits-all model』は辞書を引くと、フリーサイズという訳語が出てきます。Tシャツなどで、Lサイズの人でもSサイズの人でも着られます、誰にでも合いますよという、あのフリーサイズですね。作る方は手間が省けるのでしょうが、保健医療となると、ちょっとそれはうまくいかないでしょうとまず直感的に思います。

じゃあ、どうすればいいのか・・・というところから生まれたのが「differentiated service」ということでしょうか。

この対比を受けて一応、『one-size-fits-all model』に「画一型」、『differentiated service』には「分化型」の訳語を付けてみましたが、そもそもこうした説明が必要だということは、しっくりと来ていない証拠でもあります。より適切な訳語があれば教えてください。

考え方は示されているものの、概念先行で、どうも具体的な中身がいまいちはっきりしないのではないか。まったくの私の憶測ですが、今回のベストプラクティス事例の募集の背景には、そうした事情もあるのかもしれませんね。

個人的な印象としては主にアフリカのHIV陽性者を対象にした抗レトロウイルス治療の普及をどう推し進めていくかというところが焦点になっているようですが、保健医療サービスの効率化をはかりつつ、サービスの質を下げずに安定的な供給を持続させていけるのかという観点に立てば、つい先日まで東京で国際会議が開かれていたユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)や高齢化社会に突入している日本の医療体制にも共通する課題やヒントがあるかもしれません。

サイトを見ると『differentiated service』あるいは『differentiated care』といったものの必要性が、どういう経緯で、いつ頃から強調されるようになったのか、といったことも説明されているようです。

長くなりそうなので、そちらはいずれまた、翻訳して紹介できれば・・・ということにして、とりあえず、こうした呼びかけもありますということをお知らせしておきましょう。

 

大変だ、現世に戻ろう  

 一日限定の暖かい土曜日でしたね。明日からはまた寒くなりそうです。

 こういう日に限って電車が止まるといいますか。東京に出る予定があったので鎌倉駅まで行くと、なんと京浜東北線の川崎駅と鶴見駅の間で架線が切れましたということで、横須賀線東海道線も止まってしまいました。川崎―鶴見って横須賀線は走っていないのに、それでも止まっちゃうの・・・という割り切れない気持ちはあります。でも、とまってるんだから致し方ありませんね。東京行は断念して・・・。

 

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 江ノ電鎌倉駅。案内板が『Destiny  鎌倉ものがたり』になっています。ん?よく見ると、駅名表示がちょっと、なんだか。

 

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 そうか、鎌倉は終点ではなくて、その向こうには黄泉(よみ)がある・・・。よかった、うっかりJRが動いていたら鎌倉から先のどこに運ばれていたのかなどと、東京行キャンセルの負け惜しみを言いつつ・・・。

 

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 さすがに皆さん、黄泉には行きたくないと見えて、鎌倉で降ります。でも大丈夫、この電車は折り返し藤沢行だから、現世に戻りますよ。

 

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 ということで和田塚駅鎌倉駅の隣です。レトロな無人駅なので、最近はテレビや映画にもよく登場し、知名度が上がったようにも思います。駅を出たところには公衆電話ボックス。現世ではあるけれど、時間の流れはかなりゆっくりかなあ。

 

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  映画『Destiny  鎌倉ものがたり』。水曜日に横浜で見ました。西岸良平先生の原作を思い出すシーンが随所にあり、なぜか豊島屋の社長さんもちらっと登場されていたような。もちろん、我が家の最寄り駅である和田塚も渋い味を出していたので、私としてはうれしいご当地映画でした。

『隠されることで生まれる脆弱性』 エイズと社会ウェブ版317

 現代性教育研究ジャーナルNo81に掲載された連載コラムOne side/No sideの第9回です。こちらでPDF版をご覧ください。

www.jase.faje.or.jp

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 今月号は巻頭が、第18回JFS性科学セミナー報告「これからのオチンチンの話をしよう 男性セクシュアリティへの理解と支援」です。もちろん、この特集もしっかり読んでいただくとして、私の連載はずっと中の方の16ページに掲載されています。

 

《カリム博士によると、ロシアのMSMクリニックは次々に閉鎖に追い込まれ、HIV感染の高いリスクにさらされている人たちは、感染予防に必要な情報もケ アも得られない状態に置かれていた 。まさに「権利の不在」がHIV感染に対する脆弱性を高め、しかも「同性愛を宣伝する行為」が禁止されていることで、社会的にはその脆弱性すらも見えないまま感染が拡大していくという事態が進行した》

 

 来年はロシアでサッカーのW杯が開催されます。ソチ五輪のときのように、ロシア国内の性と人権をめぐる状況に国際社会の注目と批判が高まることになる・・・かどうか。世界の政治の指導者の顔ぶれもソチ五輪当時と比べると、だいぶ変わりました。そのあたりも頭に入れておく必要があるかもしれません。
 ところで、4月に連載を開始した時には、半年ももつかどうかと心もとない状態でしたが、なんとか年の瀬までこぎつけました。まだしばらくは担当させていただけそうなので引き続き、よろしくお願いします。できれば、あまり注目せず、ときどき気にかけてください。
 では、よいお年を。