アイハバ・ゴール ウッ!

 PPAPといえばペンパイナップル・・・う~んと何だっけ ? と思っていたら、ピコ太郎さんが登場してますます混乱に拍車をかけてきます。困った人だね。
 しかも後ろ盾は外務省とあっては、権威に弱いおじさんとしては対抗するすべもありません。
 これからはPPAPは『Public Private Action for Partnership』ですよ。
 はいはい・・・。
 国際社会の新たな共通目標として2016年にスタートしたSDGs(持続可能な開発目標)について、外務省が認知度向上に向けた広報・啓発活動の一環としてピコ太郎さんに一役買っていただいたようです。
 最近はテレビでもあまりお目にかからなくなったと思ったら、そうか、こっちで忙しかったか。
 ピコ太郎さんがSDGsプロモーション動画(PPAP SDGsバージョン)を作成。
 

www.youtube.com

 ちょっとお役所風に表現すると『本動画は、ピコ太郎氏の持ちネタであるPPAPPen-Pineapple-Apple-Pen)と、SDGs推進のために政府として掲げるスローガンPPAP(Public Private Action for Partnership)が、偶然一致したことから生まれたコラボレーションです』ということになります。
 まあ、おじさんはだじゃれに弱いけれど、拝見した印象では、さすがのピコ太郎さんも「サステイナブル・ディベロップメント・ゴールズ」と決める部分は少々、言いずらそうな感じですね。気のせいかな。
 ちなみに『本動画は吉本興業協力の完全協力の下出演料など一切支払うこと無く実現した物であります』ということだそうです。ピコ太郎さんご自身も、一発芸人か、サステイナブルなディベロップメントを図れるか、ウッ!正念場だったりして。
 公衆衛生上の脅威としてのエイズ流行終結SDGsのターゲットの一部。協力にはやぶさかでありません(協力してんだか、邪魔してんだか・・・)。
 

誰のために、そして何のために・・・ TOP-HAT News第106号

 TOP-HAT News106号(20176月)です。発行付きを大幅に超えてしまいました。もう梅雨明け猛暑の印象ですね。東京都のHIV検査・相談月間も終わっています。それでも改めて。『HIV検査や相談が重要なのは6月だけではないので、この機会にHIV検査は誰のために、そして何のために行うのかということを考えてみましょう』(治療が進歩したいまこそ 検査と相談の重要性)。HATプロジェクトのブログに掲載してありますが、当ブログにも再掲しておきます。

 

◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

 

1 はじめに 治療が進歩したいまこそ 検査と相談の重要性

 

2  WHO新事務局長にエチオピアのテドロス元外相・保健相

 

3 akta79日に活動報告会

 

4  HIV.govに名称変更 米啓発サイトAIDS.gov 

 

◇◆◇◆◇◆

 

1 はじめに 治療が進歩したいまこそ 検査と相談の重要性

 6月は梅雨と紫陽花、そしてHIV検査の普及に力を入れる月でした。1日~7日は厚生労働省と公益財団法人エイズ予防財団が主唱するHIV検査普及週間。HIV/エイズ対策の年間カレンダーで見ると121日の世界エイズデーとは対角にあたる時期に設定されています。

2006年にスタートしているので、今年が12回目でした。

東京都はこの1週間を含め、6月がまるごとHIV検査・相談月間。

検査普及だけでなく、相談が強調されている点に注目したいと思います。より現場に近い感覚が反映されたキャンペーンというべきでしょう。

その1カ月も間もなく終わります。ただし、HIV検査や相談が重要なのは6月だけではないので、この機会にHIV検査は誰のために、そして何のために行うのかということを考えてみましょう。

突然、英語を持ち出して恐縮ですが、最近は「Treatment as Prevention」の必要性が世界中でことあるごとに強調されています。Treatment(治療)とPrevention(予防)の頭文字をとって「T as P」、日本語では「予防としての治療」と訳しています。

 エイズの病原ウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した人の体内で、そのウイルスが増えていくのを邪魔する薬が抗レトロウイルス薬です。その薬を使った治療(抗レトロウイルス治療)を続けていると、治療開始の6カ月後あたりから血液中のウイルス量が大きく減少して他の人に性行為で感染するリスクがほとんどなくなるところまで下がることが研究で確認され、治療と予防との関係が注目されるようになりました。

 一方で、抗レトロウイルス治療をきちんと続けていれば、HIVに感染している人が健康状態を保ちつつ長く生きていくことができる。治療本来のそうした目標の実現にも大きな期待が持てるようになっています。しかも、感染後できるだけ早く治療を開始し、継続していくことができれば、治療の効果はそれだけ高くなることも分かってきました。

つまり、早期の治療開始によりHIV陽性者は働いたり、勉強したりしつつ社会生活を続ける可能性がこれまで考えられていた以上に高くなるし、その結果として他の人への感染を心配しないでもよくなる。

そういうことなら予防対策にも治療の普及を取り入れようではないかというのが、T as Pの基本的考え方です。

ただし、治療の予防効果を強調する際には、注意しておきたいことが2つあります。

まず、T as Pはセーファーセックスなど既存の感染予防策を否定するものではありません。これまでの予防策では効果がないので治療がそれに取ってかわるというわけではなく、予防の選択肢として治療も新たに加わったと考えるべきでしょう。

予防手段の選択肢を増やし、複数の選択肢の中からそれぞれの地域や集団の現実に最も適した組み合わせを採用して予防対策に臨む。これが昨年6月の国連総会ハイレベル会合でも確認されたコンビネーション予防の考え方です。

2番目は訳語の問題にもなりますが、T as Pはあくまで「予防としての治療」であって、「予防のための治療」ではないということです。治療はあくまで治療を受ける人の利益のために行う。これが大前提ではないでしょうか。

その発想が逆転して、流行の拡大を防止するために、つまり予防のために治療があるという考え方が強くなると、「隠れている」感染者を「割りだそう」とか「掘り起こそう」とか「捕まえる必要がある」などといったおかしな議論につながりかねません。それでは検査を必要としている人、検査を受ければ治療につながることができる人をかえって検査から遠ざけ、治療を受ける機会を奪ってしまう結果にもなります。

T as Pはあくまで、HIV感染を心配する人が安心して検査を受け、検査の結果、感染が分かった人は、そのことで社会的な不利益を受けることなく治療を続け、生活していけるようになる。そうした前提があってはじめて治療は予防対策としても有効に機能すると考えるべきでしょう。

「善は急げ」ということわざがあります。だから、感染しているかもしれない人にはいますぐ検査を受けてもらおうという考え方は当然、誤ってはいません。

ただし、その一方で「急がば回れ」ともいいます。「急いては事をし損じる」と考える余裕も少しは必要です。HIV検査の普及は大切ですが、そのためには遠回りのようでも、安心して検査を受け、治療を続けていけるような社会的環境が不可欠です。

実は、治療の普及は進んでいるのに、世界全体で見ると新たにHIVに感染する成人の数はこの5年間、減っていない。国連合同エイズ計画(UNAIDS)は1年前に発表した「予防ギャップ報告書」でそう報告しています。

何とか横ばいは維持しているが、そこから減っていかない。治療の普及は大きく進んでいるのに、どうしてなのか、世界はいま、ようやくこのことを真剣に考え、予防対策の観点からも社会的な支援策を再び重視する動きが強くなってきました。

諸外国のHIV/エイズの現状と比べると、日本ははるかに低く流行を抑えてきた国ではありますが、それでもこの点では、世界の現実と同じ課題を共有しています。

もう一度、強調しておきましょう。検査・相談月間は間もなく終わりますが、HIV/エイズの流行は終わったわけではありません。検査と相談、そして支援の大切さは、治療が進歩したいまこそ、メッセージとして引き続き伝えていく必要があります。

 

 

2  WHO新事務局長にエチオピアのテドロス元外相・保健相

 マーガレット・チャン事務局長の任期満了に伴う世界保健機関WHO)の新事務局長にエチオピアのテドロス・アダノム・ゲブレイサス元外相・保健相が選ばれました。任期は71日から5年間です。

 テドロス新事務局長はエチオピアの保健相時代に国内の保健基盤強化に手腕を発揮し、エイズ対策にも大きな成果をあげています。

 WHOに対しては、西アフリカおけるエボラ流行(2014年)への対応が遅れたことに国際社会から強い批判があり、テドロス新事務局長には緊急の課題として組織改革への手腕が求められることになります。

 テドロス氏の選出が決まった523日付WHOニュースリリースの日本語仮訳がHATプロジェクトのブログに掲載されています。

 http://asajp.at.webry.info/201705/article_2.html

 

 

3 akta79日に活動報告会

 東京・新宿2丁目のコミュニティセンターakta79日午後2時半から活報告会が開かれます。詳細はNPO法人akta公式サイトのインフォーメーション欄でご覧ください。

 http://akta.jp/information/845/

『私たちは、コミュニティセンター「akta」を拠点に、コミュニティのみなさん、さまざまなNGOや商業施設、行政、医療や教育、研究機関等と連携をはかりながら、MSM(男性とセックスする男性)のためのHIVの予防啓発を行っています。日頃ご支援いただいているみなさまに1年間の活動についてご報告いたします』

 

 

4  HIV.govに名称変更 米啓発サイトAIDS.gov

 米国政府のHIV/エイズ啓発サイトAIDS.govの名称が、65日付でHIV.govに変わりました。

 ・治療の進歩でエイズを発症していないHIV陽性者の方が、エイズを発症している人より多くなっている。

 ・サイト検索のサーチは「AIDS」よりも「HIV」で行う人の方が圧倒的に多い。

 の2点が変更に至った主な理由のようです。65日付プレスリリースの日本語仮訳がHATプロジェクトのブログに掲載されています。

 http://asajp.at.webry.info/201706/article_3.html

 

 

今日も今日とて鎌倉祇園

 七夕が終わったと思ったら大町まつりですね。鎌倉祇園とよばれる大町・八雲神社例大祭
 

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 初日の8日、夜のおみこし担ぎには、たくさんの人が集まりました。提灯を掲げた四社のおみこしが横一列になって町内を進みます。
 

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 お神輿ではなく、小さなお子さんを担いでいるお父さんもいますね。ご苦労様です。
 

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 おお、大町四つ角交差点では四列横隊のまま、ぐるぐると旋回します。何回まわったことか。
 

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 厄除けの神様で知られる八雲神社の境内も夜店が出て・・・。大町まつりは10日まで3日間。詳しくは公式サイトでご覧ください。

www.kamakura-omachi.jp


 明日(9日)は夕方から境内で演芸大富くじ大会があります。
 

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 もう一枚、神社の脇道。NHKドラマ『ツバキ文具店』の舞台にもなりましたね。

 それにしても連日の神社めぐり。歳をとるとこうなっちゃうのかなあ。

 

 

願いごとは・・・

 七夕の夕暮れ、鶴岡八幡宮に繰り出しました。午後6時ごろだったと思うけれど、まだあかるいですね。

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 昼間の熱が少しずつ下がっていき、海からの風がさわやかでした。

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 石段の上から舞殿とその向こうに海岸まで延びる若宮大路を望む。定番ですが、絶景、絶景。

 

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 舞殿には七夕のしつらえ。手前の説明文にお供え物が一つ一つ紹介されています。親切ですね。
 

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 3番目の梶の葉は『和歌を書き二星に捧げた』ということです。『現代では短冊に願いごとを書く風習となって残っています』・・・そうか、勉強になります。
 

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 石段脇、大銀杏のひこばえもずいぶん大きくなりました。
 

老人暇なし、でも忙中閑ありということで・・・極楽寺駅にて

 浪人暮らしも1週間を経過し、昨日は江ノ電1日乗車券を購入して藤沢のハローワークへ。退職後の手続きも何かと大変です。

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  帰りに極楽寺駅で降りて、駅から徒歩2分ぐらいのパン屋さんで注文しておいた食パンをピックアップ。その帰り道、駅のホームで単線の電車を待つ。日が少しずつ傾き、山間の駅のようなたたずまいですが、線路右側は去年、土砂崩れがあってコンクリートで修復されています。

 何もできず申し訳ありませんが、九州地方の大雨被害にあわれた皆さんにお見舞い申し上げます。

 

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 なにか涼しげな音は、ホーム裏の側溝の流れですね。こちらもなぜかせせらぎの印象。電車がきました・・・。

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 鎌倉行。この時間帯、車内はお隣の長谷駅に向かう観光客と下校の高校生でけっこう混んでいます。

『時代の流れをつかみ、最大限の成果をあげる』 エイズと社会ウェブ版275

 

 世界エイズ結核マラリア対策基金(グローバルファンド)のマーク・ダイブル事務局長の離任演説(日本語仮訳版)がグローバルファンド日本委員会の公式サイトに掲載されています。 

fgfj.jcie.or.jp

ダイブル氏は米国の医師、行政官で、米大統領緊急エイズ救援計画(PEPFAR)を統括する米グローバル・エイズ調整官(国務次官補級)などを経て、20131月、グローバルファンドの事務局長に就任。リーマンショック2008年)後の資金難の時代を乗り切り、グローバルファンドを国際保健分野でもとりわけ高い成果をあげる組織に立て直して今年531日に退任しました。

 離任演説では現状を『エイズ結核マラリアの流行を終わらせるための大きな転換期』ととらえるとともに『転換期とは、成功と失敗のどちらに転ぶか分からないということでもあります』と流行終結に対する安易な楽観論を戒めてもいます。演説のタイトル通り『時代の流れをつかみ、最大限の成果を上げる』ことができるかどうか、成否はまさに、これからの数年間(日本でいえば東京オリンピックパラリンピックが開かれるあたり)にかかっています。

『世界中が相互に深く結びついている現代の社会では、他の人が安全でないのに、自分が安全でいることなどできません』

繰り返し指摘されてきたことではありますが、地球規模の感染症対策の最前線で闘ってきた指揮官の最後の言葉は、改めて肝に銘じておく必要があります。

なお、グローバルファンドの次期事務局長の選出は今年秋になる見通しで、それまではマライケ・ヴェインロクス官房長が事務局長代行を務めています。

 

 

感染報告は減っているけど・・・ 東京都エイズ通信第118号(再)

メルマガ東京都エイズ通信の第118号が発行されました。5月末発行の第117号と比べてみると・・・。

5月末(ちょと前の)時点では、HIV新規感染者が昨年同時期よりも少し多くの報告されていました。6月末(ちょっと前の)段階では逆に昨年同時期よりわずかながら減少しています。

6月は東京都のHIV検査・相談月間だったのに、どうしたのでしょうか? ということは分析する必要があるかもしれませんね。分析には程遠い、漠然とした感想でいえば、豊洲を生かして築地は残すことにしたり、都議選があったり、歌うように「私の心」を叩かれてしまった方がいたり、前人未到29連勝が話題になったり・・・と、いろいろあって世情騒然の一か月でしたから、月間の健闘もむなしく、HIV検査にはなかなか関心が向かない時期だったのかもしれません。

世の中の関心には波があります。だから、手っ取り早くウェーブしちゃう手段をとろうよ、という考え方もキャンペーンの世界ではないこともない・・・とは思いますが、個人的にはそうした考え方を取りたくはありません。といいますか、惹かれるものはあるけれど、良しとはしたくない。長期にわたって継続する現象への対応としてはあまり有効とは言えないと思うからです。

世の中の大波小波に揺り揺られしながらも、長期にわたって持続するメッセージを(それも手を変え、品を変え)伝えていく必要があるでしょう。

タイトルに(再)とあるのは、数字の間違いがあり訂正したからですね。間違いがあっても話題にならない。前言を翻すようですが、これは少々、悲しい。流行が継続している中で、そこまで関心が低下していることは、個人的には新規感染拡大のリスク要因ではないかと思っています。

    ◇

東京都エイズ通信第118号(再)

  201773日(月)発行
 http://archives.mag2.com/0001002629/

 

 平成2912日から平成29625日までの感染者報告数(東京都)

  ※( )は昨年同時期の報告数

  HIV感染者           172件  (176件)   

   AIDS患者             39件  ( 53件)   

   合計                211件  (229件)

 

  HIV感染者数は昨年同時期と同程度、AIDS患者数は昨年同時期を下回っています。